アジアの格差の拡大で、富裕層はさらに富裕に、貧困層はさらに貧困に!

アジア開発銀行の報告によると、「中国を筆頭に、アジア各国の経済は好調だが、90年代以降、「途上国では貧困層が豊かになるスピードよりも、富裕層がさらに豊かになる方がはるかに速く、格差の拡大で社会が不安定になり、成長を妨げる恐れがある」と警告している。

これらの要因を作り出しているのは、「教育」における格差の存在が最も大きな鍵を握っている。富裕層が豊かになるための教育には、十二分な投資が効果的に惜しみなく行われているが、貧困層に向けては全く無視されている厳しい世界の現実がある。これが暴力世界やテロを誘発する要因を作り出す最大の要因になっている。これを直視せずに、世界の貧困や紛争は絶対に解決は不可能である。

アジア・太平洋地域の識字教育に約30年間たずさわった経験から痛感するのは、なかでも最も深刻な影響を受けている非識字者の約70%以上を占めるアジアやアフリカなど途上国の子どもたちや女性たちである。特に女性の非識字者が増加しているのは、これからの世界を考えるとき、深刻な事態を予想させる。

アジアの農村へ行くと、女性は育児、生活、教育、生産、経済など社会生活のすべてを担っているにもかかわらず、学ぶ機会は閉ざされている。私たちはややもすれば現代の経済や政治のように、目に見え。予算になり、具体的で即効性のある力による対処のしかたに心を奪われているが、しかし世界がしばしば大きな破綻ときたすのは、いつの時代も目には見えない重要な人間的な教育が切り捨てられる時である。

文字は思考や活動を記録したり、人々の表現やコミュニケーション能力を育てながら現実社会を大きく変革させる原動力ともなってきた。しかし、現在、全世界の成人のうちなんと十億以上もの人々は文字の読み書きができない。必要な知識や情報を獲得することが出来ない。今日、世界の識字者と非識字者との間には知識や情報の巨大なギャップが生じており、しかも非識字者の三分の二はアジア地域に集中している。

現代のように変化の激しい時代、もし人々が文字の読み書きができず、人間として人間らしく生きてゆくための知識や情報を得ることができなかったら、現代社会の複雑な社会変容の中で生き残っていくのは不可能である。人はただ肉体的に生存するのではなく、人間らしく精神性をもって生存することを可能にさせる知識や情報の習得を必要としている。人間らしく生存したい、という欲求は胃袋の満足と同じように、人間らしい知識や情報を手にしたいという叫びが叶えられていない社会なのである。

識字は、現代のように多様で大量な情報の海を生きるためには、テレビや広告や宣伝などあらゆるメディアについての批判的能力の形成も子ども時代からの非常に重要な能力形成となっている。それは今日の多様なメディアに十分にアクセスできる能力と同時に、それを分析したり、あるいは多様な形態でコミュニケーションを創りだすことができる能力を指しているもので、それはこれまでの社会がもっていた読み書きなど文字を中心に考えられてきた識字(リテラシー)の概念を超えて、映像やあらゆる形態の電子コミュニケーションを理解し、創造する力を含んだ新しい概念である。

21世紀は、コンピューターによってますます多様で迅速なコミュニケーションが実現するだろうが、それが人間性を大事にするものでなく市場経済の成功を求めるための単なる機能や効率を求めていく場合には、取り返しのつかない人間疎外や格差が生じてくるだろう。市場経済で、利潤を追求できる層のみが、豊富な教育の機会を独占しているのである。

 アジアやアフリカの人々は叫んでいる。”人間的な生活を送るために識字の力を! 生存していくために必要な情報や知識を下さい!子どもと女性に識字を与えて下さい!と。 

それは今日の子どもや大人たちに共通する叫びである。それは、人間性を豊かにし、世界を平和に作るものでなければならない。文字を学ぶ目的は人を殺すことを学ぶのではなく、人や社会を生かしてお互いが理解しあうことを学ぶべきなのだ。

そして、人間的で普遍的な領域で最も創造的な活動を展開している、ICLC国際識字文化センターの諸活動は注目に値する。 http://www.iclc2001.org/




アジア途上国で格差拡大 アジア開銀が報告書
2007年08月11日19時21分

 アジア開発銀 (本部・マニラ)は、アジアの不平等についての報告書をまとめた。中国を筆頭にアジア各国の経済は好調だが、90年代以降、「途上国では貧困層が豊かになるスピードよりも、富裕層が豊かになる方が速い」と指摘。格差の拡大で社会が不安定になり、成長を妨げる恐れもあると警告している。

 調査対象の22カ国・地域のうち、カザフスタン以外では上位20%の富裕層が1カ月間に支出する金額の伸びが、下位20%の貧困層の支出の伸びを上回った。格差拡大の要因としては、都市部とそれ以外で社会基盤への投資や教育水準の違いが大きいことを挙げた。

 市場経済化や経済の国際化が一因の事例が目立つとも指摘したが、「(それらによる)途上国の利益は極めて大きく、後戻りの必要はない」と強調。問題の解決には、労働者の技能や保健・教育の質の向上といった政府の施策が必要だ、としている。








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