今回のムンバイでの同時テロは、インドとパキスタンの悲劇的な未来を暗示している

今回の悲劇的な同時テロは、インドとパキスタンの悲劇的な未来を暗示している。パキスタンのザルダリ大統領とインドのシン首相は、このたびの同時テロに対して、即、インド・パキスタンが共同でテロに立ち向かう宣言や行動などへ向けて誠実に対応しなければ、今回の結末は悲劇的なものになるだろう。

ザルダリ大統領は、かって汚職の代表として国を追われたが、彼が現在パキスタンの大統領になっているのは歴史のなんという皮肉であろうか?パキスタンがこのテロに関係していないのなら、そしてパキスタン自らも犠牲者であることを宣言したいならば、ザルダリ大統領は、今回あらゆる手段を講じて政府のテロ事件における潔白さを敢然と示さないといけない。それにはザルダリ大統領自らが、直接インドへ出向いて説明するだけの積極的な態度を示さない限り道は開けない。ザルダリ大統領もギラニ首相もことの深刻な意味がわからないと重大な局面に直面するだろう。

パキスタンから特使としてインドに派遣する代表も、軍部内部から批判を受けて、ランクを下げているという。そのつけが、これからカシミールで深刻な戦闘として始まっていくことを深く憂う。そしてそれが悲劇的な結末をもたらすことを深く憂うる。

毎日新聞は、「インド西部ムンバイで起きた同時多発テロ事件で、パキスタン非難を強めるインド政府にパキスタン側が猛反発。双方が軍部隊の国境への移動に言及するなど緊張が高まっている。現時点では両国とも、強硬姿勢をアピールする狙いとみられるが、01年のイスラム過激派によるインド国会襲撃事件後には、両国が国境線に計100万人の軍部隊を集結させる一触即発の事態を招いた。今後、感情的な対立が高まれば、両国関係は危険な水域に入りかねない。」と述べているが、これまでの両国の融和策は崩壊し、緊張関係に火がつくことが考えられる。

そうならないためにも、シン首相もザルダリ大統領も、インド・パキスタン両国民のためにすべての賢明さを動員しなければならない。もし選択を誤れば、南アジアが焦土と化すことだってありうる。






2009.2.13 毎日新聞

ムンバイ同時テロ:インド外相がパキスタンの対応評価

インドのムカジー外相は13日、ムンバイ同時多発テロ事件でパキスタン政府が「国内で一部共謀があった」と認めた12日の発表について、「積極的なステップ」とパキスタンの対応を初めて前向きに評価し、両国が調査情報を共有していくことで合意したと明らかにした。

 昨年11月の事件発生以来、国境をはさんで続いてきた軍事的緊張は、両国が互いに歩み寄りを示したことで緩和していく見通しとなった。外相はこの日開幕した議会で、「パキスタンが初めて事件に関与した国民がいると認めた」と評価。その上で「今後は両国民の往来を妨げることはない」と語り、事件後に勧告していたパキスタンへの渡航自粛を解除する考えを示した。ただ「両国関係が真に改善するか否かはパキスタン次第だ」とも述べ、急速な関係改善はないとクギを刺した。

 インドは1月上旬、パキスタンに証拠書類を提示。パキスタンはこれらをもとに調査した結果として、12日に4人の逮捕などを発表した。しかし、大部分の謀議は「インド国内で行われた」とし、「パキスタン黒幕説」は否定している。
インド外務省幹部によると、パキスタンは12日の発表前、インドに対し、インドが事件に関与したとして引き渡しを求めた過激派幹部ら20人のうち「13人が関与した疑いがある」とし、何らかの法的措置を非公式ながら約束したという.一方、政府与党内には「4月の総選挙に専念するため、パキスタンとこれ以上の摩擦は得策ではない」(国民会議派幹部)との意見も相次いでいた。


2008.12.08 - CNN

インド同時テロはパキスタンで計画 米国務長官が見解示す
ワシントン(CNN) ライス米国務長官は7日放送のCNN「レイト・エディション」で、先月26─29日にインド西部ムンバイで起きた同時テロが、パキスタン国内で計画されたのは「疑いない」と述べ、米主要閣僚として事件とパキスタンのつながりについて最も明確に発言した。 ライス長官は非国家主体(テロ組織)がパキスタン領内を利用していたとの見解を表明。パキスタン当局の犯行への関与を裏付ける強力な証拠はないとする一方、パキスタンが事件対応で責任を負うべきだとの見解を示した。 ライス長官は先週インドとパキスタンを歴訪し、インドの首都ニューデリーでパキスタンが国内で活動するテロリストを取り締まるべきだと述べた。パキスタンのザルダリ大統領は、インド同時テロの犯行グループが域内各地で暗躍する非国家主体だとコメント。その一方でインド当局は、犯人全員がパキスタン人で、イスラム過激派「ラシュカレトイバ」のメンバーだと主張している。


朝日コム
インドとパキスタン、米国務長官が訪問 自制促す
狙い2008年12月3日21時27分

米国のライス国務長官が3日、ニューデリーを訪れた。インド西部ムンバイの同時多発テロにパキスタンのイスラム過激派が関与していたとの見方が強まり、印パ両国の関係悪化が懸念されるなか、緊張がエスカレートしないよう自制を促すのが狙いだ。ライス長官は4日にはイスラマバードを訪れる。 ライス長官は3日、ムカジー外相との会談前に今回のテロ捜査への米国の支援に触れ、「科学捜査や情報共有で協力したい。テロ容疑者を裁きにかけることが重要だ」と強調した。すでに米連邦捜査局(FBI)の捜査員7人が30日にムンバイに到着。2日には逮捕された実行犯の男への事情聴取も始めている。全面的な捜査協力を通じ、インドに冷静な対応を求める構えだ。核保有国同士の印パの緊張は、それ自体が大きな不安材料だ。さらに米国は「対テロ戦争」への影響を懸念している。印パ関係が緊張すれば、パキスタン軍が武装勢力タリバーンを掃討するためアフガン国境に近い西部に集中させている部隊を、インドと領有権を争う東部のカシミール地方の停戦ラインに移す事態が予想されるからだ。

 一方、ライス長官はパキスタンについては「緊急に行動し、協力する必要がある」と述べ、4日の訪問時に、過激派の取り締まりに真剣に取り組むように求める考えを明らかにした。PTI通信によると、軍のマレン統合参謀本部議長も2日から3日にかけて、ニューデリーとイスラマバードを相次いで訪問した。ただ、印パ両政府とも国内向けには弱腰の態度を取れず、メディアを通じた非難の応酬が続いている。自制を求める米国の説得にすんなり応じられるかは不透明だ。



毎日新聞 2008年11月28日 
東京朝刊

インド・ムンバイ同時テロ:政府に「失策」批判 防止対策「不十分」
◇来春総選挙--野党、攻撃材料に
インド西部ムンバイで26日夜に起きた武装集団による同時多発的な襲撃事件を巡り、インド政府のテロ対策が「不十分だった」との批判が国内で高まっている。最大野党「インド人民党」は、本格的に政府の非難キャンペーンを開始する考えを示した。「事件は政府の失政の結果だ。今年はイスラム勢力によるとみられるテロが全国で多発し、犯行声明も出されてきたのに、組織解明すら進んでいない」。シン首相の最大与党「国民会議派」と政敵関係にあるインド人民党幹部は、政府を厳しく批判した。

経済成長を重視するシン政権にとって、経済都市ムンバイを象徴する高級ホテルを狙ったテロ事件は、来年春に予定されている総選挙を前に、野党勢力の格好の攻撃材料になりつつある。今年9月、「インディアン・ムジャヒディン」を名乗る実態不明な組織による小型爆弾を使ったテロ事件が全国で相次ぐ中、首都ニューデリーの市場など3カ所でも同様のテロが発生。同組織が犯行声明を出したことで、シン首相は内務当局幹部を激しく叱責(しっせき)したとされる。この直後、治安部隊は市内のイスラム教徒の住宅街を急襲し、「武器を持っていた」少年ら2人を射殺。しかし、国内のイスラム教徒らは「2人は無実」と非難し、この後もイスラム教徒の逮捕などが相次いだことから、反政府感情が高まっていった。今回、犯行声明を出した「デカン・ムジャヒディン」も実態や背後関係は不明で、政府は現段階で事件の背後関係には言及していない。

◇頻発する国際テロ
今回のムンバイ同時テロの国際的な背景は不明だが、一方で、イスラム過激派による国際的なテロは、湾岸戦争(91年)以降に世界各地で頻発するようになっている。
93年2月に米ニューヨークの世界貿易センタービルが爆破され6人が死亡、96年6月にはサウジアラビアの米軍施設で爆弾テロがあり、19人が死亡した。98年8月にはナイロビ(ケニア)とダルエスサラーム(タンザニア)で米大使館が相次いで爆破され、死者200人以上、負傷者5000人の大惨事となった。
一方、観光客を狙ったテロが続いたエジプトでは、名所ルクソールで97年11月、日本人を含む60人が銃乱射テロの犠牲になった。01年9月11日の米同時多発テロ事件を受け、世界各国はテロ警戒を強化。米軍を中心としたアフガニスタン攻撃でタリバン政権を崩壊させたが、なお政情は安定しないばかりか、世界各地でテロは続いている。【小坂大】
◇パキスタン、インドと「連携」強調 カシミール勢力「関係」との報道、「火消し」に躍起
インドでは90年代以降、イスラム過激派組織のテロ活動をパキスタン当局と関連づける傾向があったが、04年に始まった両政府の対話が進むにつれ、インド側のあからさまな非難は影を潜めている。ただ、政府が窮地に陥れば、矛先が「国外」に向かう可能性があり、パキスタン政府はいち早く事件を非難する声明を出すなど、火消しに躍起だ。インドのシン首相は27日、今回のテロ事件についてテレビ演説。「周到に用意された攻撃であり、恐らく外部との関連がある」と述べ、パキスタン国内の組織が関連しているとの見方を示唆した。一部のインドのテレビは、逮捕された実行犯の一人が「(パキスタンなどを拠点とするイスラム過激派)ラシュカレ・タイバとの関係を示唆し、事件直前に船でムンバイに上陸したと供述している」と報じている。ただ、ロイター通信によるとラシュカレ・タイバは関与を否定している。
一方、パキスタンのザルダリ大統領とギラニ首相は27日、相次いで事件を非難する声明を出した。パキスタンでは9月、首都イスラマバードの高級ホテル「マリオット・ホテル」で自爆テロがあり、外国人を含む約60人が死亡。ザルダリ大統領は「インドとパキスタンはともに世界的テロ活動の深刻な犠牲に遭っている」とし、ギラニ首相も「両国は共同でテロ活動に対処する努力を続けたい」と連携関係を強調してみせた。2人の発言の背景には、ラシュカレ・タイバを含むカシミール地方のイスラム過激派勢力が、パキスタン軍情報機関の支援を受け、インド側でテロ活動を続けてきたとの批判がインド国内にくすぶっていることがある。01年の米同時多発テロ事件後、ムシャラフ前政権はカシミール勢力をテロ組織指定し、関係を「断絶」。04年から始まった和平対話でインド側はあからさまなパキスタン非難をしなくなっている。実際、カシミールの各過激派組織は02年以降、分裂したり活動の舞台をアフガニスタンに変えるなどしているとされる。

◇各国首脳、強く非難
インド・ムンバイでの同時テロを受け、各国首脳は、実行犯への強い非難と犠牲者へのお悔やみを表明した。ブッシュ米大統領は「死傷した罪もない市民と家族にお悔やみを申し上げたい」と短い声明を発表。オバマ次期米大統領は声明で「テロリストを強く非難する」と述べ、「米国はインドや世界各国との連携を強め、テロを一掃しなければならない」と断固とした姿勢を示した。ブラウン英首相は「シン首相に対し、英国はインドを支持し、いかなる援助も提供する用意があると伝えた」との声明を発表。メドべージェフ露大統領は訪問先のベネズエラで「今回のようなテロ攻撃は、人類と世界秩序への挑戦だ」と語った。
◇米新政権けん制か--宮田律・静岡県立大准教授(イスラム地域政治)の話
ムンバイには欧米企業が多数進出しており、米国主導の対テロ戦争の失敗を世界に訴える格好のターゲットだ。こうした事件が起きれば欧米企業は投資や経済活動を控え、経済へのダメージも大きく、政府のイメージダウンにもつながる。アフガニスタンでタリバンが再び台頭し、パキスタンも乱れている。海外のイスラム原理主義勢力と呼応して実行した可能性がある。対テロ戦争の軸足をアフガンに移すと明言するオバマ次期米大統領をけん制する狙いもあったのではないか。犯行声明を出した「デカン・ムジャヒディン」は組織名から南インド・デカン高原出身者のグループだろう。同地方ハイデラバードにはインドからの分離独立を求めるイスラム過激派が古くから存在しており、その流れをくむグループではないか。過激派には現在、大きな指揮系統はなく、小さなグループがアイデンティティーを訴えるため、勝手に名前を付けて活動している。米国が過激派を力で抑え込もうとする限り、それに無差別テロで応酬するという悪循環は今後も続くだろう。【聞き手・佐藤賢二郎】
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■ことば
◇カシミール地方
ヒンズー教徒が中心のインドと、イスラム国家のパキスタンは、1947年に分離して以来、カシミール地方の領有で争い、2度の全面戦争まで行っている。イスラム教徒が多数派を占めるインド側のジャム・カシミール州では、90年ごろからイスラム過激派による分離独立活動が活発化していた。一方で、04年には和平協議も始まっている。




毎日新聞 2008年12月1日 東京朝刊

インド・ムンバイ同時テロ:インド・パキスタン緊張 双方「国境に軍展開」
インド西部ムンバイで起きた同時多発テロ事件で、パキスタン非難を強めるインド政府にパキスタン側が猛反発。双方が軍部隊の国境への移動に言及するなど緊張が高まっている。現時点では両国とも、強硬姿勢をアピールする狙いとみられるが、01年のイスラム過激派によるインド国会襲撃事件後には、両国が国境線に計100万人の軍部隊を集結させる一触即発の事態を招いた。今後、感情的な対立が高まれば、両国関係は危険な水域に入りかねない。
インド与党国民会議派は29日、ニューデリーで緊急幹部会を招集。来春の総選挙を前に、野党勢力が「政府のテロ対策の不十分さ」を攻撃し始めたことへの対応が議題だった。関係者によると、この中で一部閣僚から「事件の黒幕はパキスタンに違いない。軍部隊を国境に集めて圧力をかけるべきだ」との強硬論が出た。結論は持ち越されたが、やり取りが地元記者に伝わり、「政府が近く重大決定をするようだ」との情報が広まった。

パキスタンでは29日、シン印首相がパキスタン軍情報機関(ISI)長官のインド派遣を求めたことに、軍内部は猛反発していた。軍関係者によると、キヤニ陸軍参謀長は同日、ISI長官やギラニ首相ら政府幹部と緊急会談した。「インド政府が国内批判の目をパキスタンに向けようとしている」との意見が続出。「パキスタンへの非難が続くならば、軍はアフガニスタン国境線でのテロとの戦いを中断し、軍部隊をインド国境に展開する可能性もある」との考えで一致した。その上で、「(アフガニスタンでの対テロ戦を主導する)米国や北大西洋条約機構(NATO)に対し、我が国の意向を伝えてインドに冷静な対応を求める」ことを確認。軍幹部は毎日新聞などに対し、「最終決定ではない」と前置きした上で、この方針を明らかにした。
 
今回の事件でインド当局は、パキスタンを拠点とするイスラム過激派の関与は濃厚とみているが、公式にはISIなどパキスタン政府・軍の関連にまでは言及していない。一足飛びに強まったパキスタン非難については、最大野党「インド人民党」からも、「政府の責任逃れだ」(党幹部)との批判も出ている。

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◆最近のインド・パキスタン関係◆

98年 5月 両国が核実験
99年 5月 両国が領有を争うカシミール地方北部で軍事衝突。2カ月半の戦闘で千数百人が死亡。71年の第3次印パ戦争以来の大規模衝突に(カルギル紛争)
01年12月 インド国会にイスラム過激派が突入を図り十数人死亡。インド側はパキスタン関与を主張。翌年夏にかけ、両国国境に両軍計約100万人が集結し、「核保有国同士の全面戦争の危機」に
03年 4月 バジパイ印首相(当時)が対話を呼びかけ、関係改善がスタート
04年 1月 バジパイ首相がイスラマバードを訪問しムシャラフ大統領(当時)と会談。和平対話開始で合意
06年 7月 ムンバイ連続列車爆弾テロで和平対話が一時中断
08年11月 ムンバイ同時多発テロで、緊張高まる


毎日新聞2008年11月29日

インド同時テロ:軍が完全制圧 死者200人超も
治安部隊による本格的な掃討作戦が始まったタージマハル・ホテル=2008年11月29日午前3時40分、矢野純一撮影 【ムンバイ(インド西部)矢野純一】激しい爆発音。窓から噴き上げる炎。29日、インド・ムンバイでの同時多発テロ事件で、武装グループが立てこもったタージマハル・ホテルでは、軍特殊部隊による最後の掃討作戦が実行された。午前8時半(日本時間正午)過ぎには、地元警察長官がロイター通信に対し「昨夜からテロリスト4人を殺害した。ホテルは我々の完全支配下にある」と言明。最後まで同ホテルで抵抗を続けた武装グループは全員が死亡し、発生から約60時間ぶりに終結したとみられる。同日午前3時半。爆発音が地鳴りのようにとどろいた。ホテルから100メートルほどの広場に陣取る100人以上の報道関係者が一斉に首をすくめる。ホテルの3階には数人の武装グループが残り、なお抵抗を続けていた。窓に閃光(せんこう)が光り、続けざまに機関銃の連射音が響く。ホテルの外からグループを狙う狙撃手が放った銃弾が、投光器で照らされた石造りの外壁に当たり、石が砕け散った。
夜が明けた午前7時半ごろ、特殊部隊が最後の攻撃を行った模様だ。激しい爆発音が響き、ホテルの1、2階から出火。窓から激しい炎が噴き出した。部隊によると、内部には依然、宿泊客が取り残されている。ホテル周辺には、家族の身を案じる人々の姿があった。初老のインド人男性は、携帯電話を握りしめ「妻は電話口で泣いていた」と語った。電話で、おびえた妻から「いつ終わるの。何が起きているの」と聞かれても、答えることができなかった。夫婦でホテルに宿泊していて、26日の襲撃に遭遇。客室に閉じこもったが、男性は28日早朝、一人で部屋から出たところを特殊部隊に救出された。妻はそのまま取り残された。米CNNテレビによると、事件の死者は160人。だが、すでに完全制圧されたオベロイ、トライデント両ホテルからは新たに24遺体が発見され、インド当局者はPTI通信に、死者は200人を超えるとの見通しを示している。



インド同時テロ:背後にビンラディン容疑者の影

26日、武装グループによる襲撃のあったムンバイのターミナル駅。床に残された犠牲者の荷物や血痕が事件のむごたらしさを物語る=ロイター 【バンコク栗田慎一】インド西部ムンバイで起きた同時多発テロ事件で、ホテルなどを自動小銃や手投げ弾で襲撃した武装グループは、肉体的にも精神的にも十分な訓練を受けた上で犯行に及んだ疑いが強まっている。米国がアフガニスタンとイラクで「対テロ戦」を開始し、国際テロ組織「アルカイダ」指導者ビンラディン容疑者の反米思想の影響を受けた、「ビンラディン・チルドレン」が世界中に増殖する中で起きた今回の事件は、インドにも同容疑者の過激思想が上陸した恐れを抱かせる。

 現地報道によると、犯人グループは20歳代中心と若いが、治安部隊幹部は「統率が取れている」と証言し、特殊な軍事訓練を受けた可能性を指摘する。01年にアフガンで始まった「対テロ戦」は、多くのイスラム教徒の目には、米国が開始した「反イスラム戦争」と映った。その結果、アルカイダの過激な反米思想が逆に世界に拡散する結果を招いた。インドネシア・バリ島で02年10月に起きた爆破テロや、ロンドンの地下鉄などで05年7月に起きた同時爆破なども、アルカイダ的な思想に共鳴した若者らの犯行とされる。パキスタンの武装組織が勢力を拡大し、テロが続発しているのも、こうした過激思想の浸透がある。地元メディアは、容疑者の一人がパキスタン側カシミールの過激派組織「ラシュカレ・タイバ」と関係があると供述したと報じた。同組織はアルカイダと強い関係を持ち、アフガンとパキスタンの国境地域で軍事訓練を施していると言われている。

 オベロイ・ホテルに立てこもっていた犯人の一人は27日、複数の地元メディアに「インドのイスラム教徒は政府に迫害されている。座して死ぬより戦って死ぬ」と語った。「テロとの戦い」が、インドの人口の1割を占めるイスラム社会に絶望感を抱くほどの被害意識を増大させ、今回の無差別テロを誘発した可能性が高まっている。




インド同時テロ:血まみれ50遺体…治安部隊突入のホテル

28日、ムンバイのオベロイ・ホテルから救出された日本人宿泊客とみられる男性(中央)ら=AP 【ニューデリー支局】うつむく表情には濃い疲労がにじむ。着ていたシャツには幾重にもしわが入っていた。インド西部ムンバイの同時テロは発生から3日目の28日、日本人全員の脱出が完了した。治安部隊は犯人グループが占拠していたホテルをほぼ制圧したが、1日半ぶりに救出された日本人男性はショックのためかだれもが言葉少な。用意されたバスに乗り込み、検査のため病院に向かった。午後0時半(日本時間同4時)過ぎ、海に面したオベロイ・ホテル南側出口から警察官に付き添われ、宿泊客約20人が出てきた。毎日新聞のインド人助手によると、日本人の1人でグレーのジャケットを着た男性は日本語で「本当にありがとうございます」と短く語った。シャツ姿の日本人男性は「アーミー(軍)の方が来て、助けていただいた。ホテルの中でテレビも途中から見られなくなった」。

 一緒に出てきたイスラエル人男性は「ホテル内の状況は悪化している」、米国人男性は「銃撃戦が今も続いている」と語った。中には、赤ん坊を抱きながら脱出してきた男性の姿もあった。PTI通信などによると、ホテルに突入した治安部隊の一人は床に横たわる血まみれの遺体を50体も目にした。犯人か人質かも分からない。一部の部屋には煙が立ち込め、壁には飛び散った血の跡。「一つの部屋に12~15体あった」と振り返る。覆面姿の部隊員は「やつらは人間性のかけらもない。目の前に現れた人々を見境なく撃ち殺した」と怒りをぶちまけた。

 英国人弁護士、マーク・アベルさんは英BBCの取材に銃撃発生時を振り返り、「私がチェックインデスク付近にいた時、ちょうど日本人グループが話をしていた。銃撃があったのは、私がそこを離れた3、4分後なんだ……」と声を詰まらせた。三井丸紅液化ガス関東支店営業担当課長、津田尚志(ひさし)さん(38)が殺害された現場に居合わせた可能性もある。アベルさんは「部屋の中に40時間閉じこもり、食べ物もなく、わずかな水で過ごした。ドアの外では銃声や叫び声。私は24階、同僚は21階に宿泊していたが、携帯電話で互いに連絡を取り合った。ノックの音が聞こえ、治安部隊に助け出された時は最高の気分だった」と話した

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