ダリットの子どもたちとの共同創作に参加して

インドのダリットと呼ばれる子どもたちと共同創作を行う
2009/06/07 15:52

日本を2009年5月10日に出発してから、インドの最南端のタミールナドゥー州で、ダリット(被差別最下カースト)の子どもたちとのワークショップは5月15日から23日まで、約250名を対象にワークキャンプを行っていました。
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すべて8歳ぐらいから16歳ぐらいの子どもたちですが、このワークショップを共同で主催したキリスト教関係のシャクティセンターの修道女たちとICLCは、共同でワークショップを行い、そのうち約70名を対象に、私は絵地図分析や創作ワークショップ、紙芝居、ストーリーテリングなどを行ったのです。これは4日間続きました。こうした長い期間、直接インドの子どもたちと接したのは、私には初めてのことでした。

これに対してどのような反応が子どもたちからあったか? これは大変おもしろくいい経験になりました。何度思い返しても、無上に面白かった。子どもたちは、基本的に生きる喜びを見つけるのに必死ですからね。好奇心の塊ですから。内面に深刻な問題を抱えていても、太陽に向かって伸びていく若芽のように、たくましいですからね。

子どもたちへと、日本の紙芝居も何点かもっていきましたが、実際演じてみるといろいろな課題も感じました。子どもたちは大喜びでしたが、日本の紙芝居がもっている「普遍性の欠如」という課題を感じたのです。もちろん紙芝居は、子どもたちの興味や関心を引き出すおもしろいものがいいのですが、日本の伝統的に持っている多様性の欠如と表現の貧弱さを紙芝居から感じたのです。大人社会の行き詰まりの世界を紙芝居から感じたのですから、これは大変重要な課題です。

また、ここではこれらの子どもたちにそれぞれ課題を出して、それについて自由に物語を作り、発表してもらったのですが、子どもたちはなんという素晴らしい創造性や底抜けの明るさを持っているのか、毎日多くのことを彼らから学びました。 いろいろなこともわかりました。彼らの心理面が浮かび上がってくる絵地図分析では、彼らが村で、直面している課題を自由に書いてもらったのですが、なんと驚いたこと約2割の子どもの父親や母親が、HIVエイズで死亡している事実でした。そして参加した2割の子どもたちもエイズの陽性にあるということでした。
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村の中でも差別を受けている子どもたちが、こうしたキャンプの中でいかなる作品を作り、こうした結果をどのようにシスターたちが多くの困難な状況に直面しながら、希望を作り出す努力を続けているか、そしてこれをどのように評価しフォローしているのか、その真摯な取り組みにも驚きました。またインドのカースト制度の現実は、少しずつ変化してはいるのですが、社会の中に強固にいき続けている事実でした。それは上位カーストとダリットとの村での暮らしを見れば、一目瞭然ですね。差別の課題は、何百年もかかるような深い溝が社会の中に出来ていることです。

また日本から持参した紙芝居や絵本が、彼らにどのような評価を受けたか、これがおもしろかったです。とにかく多くの発見と感動続きのワークショップでした。それは今後詳細にお伝えしましょう。


* 嬉しい発見があったことは、インドの国立文学アカデミーから、新たに、私の「びっくり星の伝説」タミール語とテルグ語が翻訳刊行されていたことです。これはタミールナドゥ州の州都のチェンナイインドでは、これで7言語ですが、インドではすでに 「さばくのきょうりゅう」が14言語で、「どこから春が」が英語版で、「さびしい狐」が雑誌の英語版で刊行されていることです。
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そして「ガウディの海」の物語のマラティ語版が、今回、インドでは初めてムンバイの出版社からアビンド・グプタの手を経て翻訳出版されたことです。イラストも本のデザインも大きく変わっていましたが、国立とは違って民間のもつ創造性があふれているような創作本に生まれ変わっていました。これは海洋汚染と核問題を扱った創作なので、インドの反核団体が翻訳刊行してくれたようです。 独創的なA.ラマチャンドランの絵本とは、また異なった「大亀ガウディの海」の絵本が誕生しました。

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