「日本には世界に誇るものはたくさんあるが、ビジョンがない」ー未来のつくり方

    かって私は、2005年頃、軍政下におけるミャンマーで、雑誌のインタビューを何度か受けたことがあります。長時間のインタビュー記事が掲載された後、編集者に反応を聞いてみると「読者からはかってなくいい反応がありました」と大変喜んでくれたあと、「検閲はたった1か所だけでした」というのです。「それってどこでしょう」」と尋ねると「社会の事実や真実を、次世代にきちんと伝えていくことが大切だ」としゃべったところはすべて削除されたとのこと・・・「なるほど」軍事政権とは、いつも事実や真実を伝えていくことを極度に恐れていると痛切に感じたことでした。 原発ゼロ社会を達成したドイツのある専門家が、「日本には世界に誇るものはたくさんあるが、ビジョンがない」と言いました。ビジョンがないということ、それは「日本人は、刹那の時間内でしか具体的に物事を把握できない民族」だということですね。つまり50年後や100年後など未来へ向けての日本人の生き方の時間空間を描けないということです。確かに近年、日本には、ビジョンらしいものは全く生まれていません。その理由は、現在形は余りにも忙しく、過去にも未来にも目を向ける時間的な余裕が全く無かったということもありますが・・・なぜビジョンが日本に生まれないのでしょうか? その答えは明瞭です。未来とは、現在から描くものではなく、過去の膨大な時間の中から描いていくもの、誕生していくものであるからです。考えてみると、日本は歴史問題に限らず、自分たちにとって忌まわしい体験はすべて忘却…

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ミャンマーの民主化がもたらしたものー2015年

2015年2月、10年ぶりにミャンマーを再訪した。それはミャンマー作家協会とシャンティが共催した絵本作家を対象とした研修ワークショプに招請を受けたことによる。久しぶりのヤンゴン、⒑年前と大きく変わっていたのは、ほとんどの若者たちがスマートフォンを持っていたことだ。人々の表情がとても明るくなり、そして特に若い女性たちの表情やファッションなどもバンコクなどとほとんど変わらないぐらい快活で明るくなったような気がした。アウンサン・スーチーさんが国政に復帰し民主化がもたらしたミャンマーでは、みんなが自信をもって生きているように感じられることだった。 車は日本車がますます増えていたが、信号機が普及していないので、さらに一層交通地獄が酷くなったこと。またエレベーターに乗ったときは、突然の停電に遭遇し、真っ暗闇のエレベーター内に1時間も閉じ込められたこともあったり、帰国する際には空港で、飛行機への搭乗直前に停電が発生、空港のロビー全体が暗闇に包まれるということも起きた。現在は、日本企業の進出が著しいミャンマーで、電気のエネルギー源に「原発を輸出しよう」という動きが日本の企業体などからあるようだ。原発の推進側は、原発エネルギーは、二酸化炭素を放出しないクリーンエネルギーだと嘘を言って、日本企業が積極的に環境問題と絡ませて推進しているようだ。その先頭にたって旗を振っているのは雇われ東大教授だと噂されていた。 海岸地域でマングローブの植林を行っているミャンマー人のNGOの友人は、真剣な顔をして、「使…

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教室に虹を!

ある日私は、ミャンマーの山奥にある小学校の教室の天井に、「虹」を映し出してみました。それは教師から借りた小さな手鏡をバケツの水の中に入れて、太陽の光を反射させるだけのもの。 しかし子どもたちの驚きようといったらありません。見て下さい。彼らの真剣な表情!そのあとの授業から、子どもたちは自分で自分の虹を作ろうと必死になって、それから子どもたちは「なぜ雨上がりの空に虹がかかるか」を知ったのです。みんな自然科学が好きになったのです。小さなことでも、子どもたちには大きな感動となります。 これは、私がミャンマーで行っていた100レッスンの中の科学実験のひとつ。さまざまな新しい実験授業を子どもや先生たちと行いました。

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