ミャンマーのシャン州で行った「虹作り」のワークショップ

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 もう15年も前のこと。私はその頃、ミャンマーの小学校の教師や教育大学の教師の研修などを行っていました。この日は、小学校で理科の実験を行うことでした。

まずこの日のワークショップは、朝の太陽の光で虹(詳しくはプリズム)を作る、簡単な現地の器具を用いて実験をやることから始めた。日本のように既成の教材のプリズムがあるわけではないので、現地の女性教員が手にしている小さな手鏡を使わせてもらった。

「誰か手鏡を使って虹を作るやり方を知っている人いますか?」と聞くと数人が手を上げたので「それではどうぞ作ってみてください!」と言ってやってもらった。しかし彼らはどうしてもできない。洗面器にいれた水の中に鏡を入れ、太陽光を反射させてそれを天井に映し出すだけなのだが、太陽光を反射する角度がなかなか困難な問題なのだ。

そこで、「虹を作るには、このようにして作ります」と洗面器の中に居れた水の中に角度をきちんと説明しながら実演するとみんなうなずく。鮮やかな虹が天井に美しく映しだされ、みんなうっとりと見ている。朝日で映し出される虹は本当にきれいだ」「こんな小さな鏡1枚で、理科の実験がこんなに簡単にできるのです。」と話し、
「これは太陽光が水の中で屈折して、このような色を分解され映し出しているのですが、山にかかる美しい虹も、太陽光が大空の雨粒で屈折して虹を生み出す原理と同じことです。朝、学校の教室の天井に映し出して、子どもたちに見せてやってください。きっと驚きます。この「驚き」こそ科学するということの中で最も大切なことなのですから。子どもの感性はとても柔らかいですからね、すべてを感じて、すべてを吸収しますからね。こうして感動したことは終生忘れません。」と説明した

こうした簡単な実験を教員養成の中で私は、たびたび行った。1年後、モニタリングのため、シャン州の山の中にある小学校を訪問したとき、子どもたちに質問した。
 「あなたは学校の勉強で、どの科目が一番好き?」
すると小学校6年生の女の子は、
「わたしは理科です」と答えた。そこで
「なぜ理科が好きなんですか?」とさらに尋ねると、女の子は、
「私は虹作りが大好きだから。だから理科が好きになりました」と嬉しそうに答えたのです。

 私は驚いて、担任の教師に詳しく聞いてみたら、その学校の校長先生は、教員養成の講習会に出席して、学んだことを自分の学校ですぐに実践してみたそうです。すると教師も子どもたちもみんな「虹つくり」にとても感動し、なんと3日間続けて、毎日、虹を作っていたそうです。なーるほど、「感激や好奇心こそ学びの本質」ですね。


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