ラオスで行われた感動的な絵地図ワークショップ+物語の翻訳出版

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2013年8月15日から25日まで、「ラオスのこども」から招請を受け、ヴィエンチャンなどへ行って、絵地図分析ワークショップの開催に協力してきました。素晴らしく楽しい体験でした。これはラオスで活動してきた「こども文化センター」の20年間の活動についての評価を行い、これをもとに今後の方向性を定めようというものでした。またこれまで「ラオスのこども」の代表者であるチャンタソンさんから依頼され、これまでに私の2冊の創作本を翻訳出版していただいています。それは1990年にラオス語で出版された「びっくり星の伝説」、2003年に「大亀ガウディの海」の2冊です。また今回の訪問は、2001年に次いで2回目でした。

PMA(絵地図分析)によるラオスでの3回のワークショップは、8月16日から始まり、メコン川を越え場所を変えて3回開催し、いずれも成功裏のうちに終了しました。参加した子どもや教師たちは、みんなまるで吸い寄せられるように大きな白紙の模造紙に向かって言葉や絵やデザインで、さまざまな自己表現を行い、それを総合分析して「ラオスのこどもたちの理想や未来」について発表したのです。こうした方法に子どもや先生たちがどんなに熱狂したことでしょう。昼食を食べることを忘れたほどでした。 

これは、言葉と絵とデザイン表現に本質的な意味を持たせるようにーさらにそれを地図化することこれは、言葉と絵とデザイン表現に本質的な意味を持たせるようにーさらにそれを地図化することによってそによってそれぞれの位置や方向性を顕在化させていく方法です。そして完成した絵地図をみんなで分析することによって、深い心理に眠っている欲求やニーズを掘り出し、現実的なアクションをつくりだしていくというおもしろく刺激的な作業です。日本には、KJ法というやりかたがありますが、絵地図分析とは大きく異なっています。

絵地図分析は、言葉や文字を使いながらも、視覚的な表現を重視し、絵やデザインによる表現を大胆に使っていきます。また分析から具体的なアクションという行為も非常に新鮮で楽しい作業です。ラオスでは、絵の具を初めて手にしてとまどった子も初めはいたように見えましたが、アートと心理と自己表現が交錯して、会場全体はいつでもどの会場でも喜びがあふれていました。

そして、年長のこどもが、年下のこどもたちをサポートしながら、絵地図を見事に構成していったのです。その風景は実に感動的なものでした。これにはさらに教師や父兄も加わって別のグループを構成したので、たくさんの具体的な将来行動が示唆されました。ラオスのこどもたちが、社会の大きな変化の中で切実にコンピューターを求めていることもわかりましたし、メコン川の流域に住むことから「水族館」のような魚の生態を学びたいという欲求、さらにはいろいろの技能をもつ先生が欲しいという夢や欲求もよくわかりました。そしてさらに社会変容に従って多様な内容の本を求めていることも判明したのです。

絵地図分析は、これまでアジア・太平洋地域で行ってきたユネスコの識字教育の現場から作りだしたコンセプトと方法論で、これに視覚的な体験を加えたものです。ユネスコでは、すでに多くのワークショップでNP法として使用されていますが、このNPとはNew Participatory Method (NP)というもので、まだ不完全なものでしたが、絵地図分析 (Picture map Analysis) は、これまで約30年間、日本ーインドー中国ー韓国ーなどユネスコのワークショップや内外の大学(東京大学、南京師範大学、梨花女子大学など)の教育機関、NGO、自治体などで改良を重ねて広範に実施してきました。これから世界中の教育現場で幅広く活用されていくことが予想されます。

従来のリテラシー(文字を中心のコンセプト)に、文字だけでなく絵やデザインや地図などの機能や表現を含めて認識表現する事が、人間にとっていかに重要なリテラシーを構成しているかということです。震災の福島で行った絵地図分析では、家を流された人がたった1本の線を画いて、津波で流されていく自分の家を痛切に表現しました。また子どもたちは言葉や文字以上に かれらの心理や考えを絵や色彩や線で平易に表現します。しかし表現とは、水に浮かんだ氷のように、水面上にはわずか10%、残りは水中に隠れているのが絵や言葉の実体です。そのため絵地図分析という文字と絵を合体させて、地図化するという表現が確立されたのです。


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