文字の読み書き(識字)とヒューマン・リテラシー

  文字というのは実に不思議なものです。文字を使うと、簡単に紙片に知識や情報を貯蔵できるのですから。例えばパピルスという植物で作った紙に記された古代エジプトの3千年前の出来事だって文字が読めれば簡単に理解できます。人間の社会は、緊密なコミュニケーションによって成り立っていますが、これは文字だけではありません。言葉や文字に加えて、記号、写真、絵図、動作、映像などたくさんの方法があります。 しかし文字が一番複雑で正確に表現したりすることができます。文字の発明は人間の発明の中でも最も素晴らしいものです。もし文字の発明がなかったら、人間の歴史は大きく異なっていたでしょう。文字があれば、何千年前に起きた出来事でも読み解くことができますし、時代を越えて伝えることも、国境を越えてどんな国々の人々にも伝えることができるのです。現代は、コンピューターで写真や映像などさらに印象を具体的に生き生きと瞬時に伝えることができますが、しかし表現の基礎にはすべて文字によるものです。文字は、詳しい事実の表現や複雑な科学知識などを正確に表現することができますが、万能ではありません。文字や言葉(言語)で表現できない世界があることから多様な視聴覚時代が始まっているともいえます。 文字が発明されていなかった時代や文字が使われていなかった時代、人間はすべての出来事を頭の中に記憶しているのでした。紙に記載して記録するということはなかったのです。ですからみんなの記憶力はとても良かったのです。日常のことや歴史の出来事はすべて口承…

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「ヒューマン・リテラシー」という考え方は、核実験から生まれた。

「ヒューマン・リテラシー」という考え方は、核実験から生まれた。私の書いた「びっくり星の伝説」の物語の英文名は The Legend of Planet Surprise といい、アジア地域では30ヶ国語以上に翻訳出版された。 この物語の中で、人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことができたことを題材とした。とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができる。この両者の協力によって、人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が崩壊してしまったという物語である。これは人間が生み出した「原子力」の存在を意識して書いた寓話である。現在、人間は、原水爆の廃絶でも、原発という平和利用においても、大きな岐路にさしかかっている。 1998年5月のこと、私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域でノンフォーマル(寺子屋)学校を二百校設立する式典に出席した時、連邦政府の教育大臣の口から次のような祝辞を聞いたことがある。 「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような能力と技術をもつ科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育はこのように科学技術の発展に大きく貢献するものでないといけない。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していく…

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日本はなぜ戦争をしたのか?人間はなぜ戦争をするのか?

 1942年における日本の占領地 太平洋戦争70年ー日本はなぜ戦争をしたのか? 日本が300年の鎖国から目覚めた当時は、アジア・アフリカの国々は、ヨーロッパなどの列強の植民地となっていた。つまり軍事力で完全に制圧され、人も物も徹底的に収奪され、イギリスやヨーロッパ諸国の植民地で苦しんでいたのである。日本も近代化に失敗すると、ヨーロッパ諸国の植民地になる恐れがあったので、維新の志士たちは死に物狂いで活路を求め、富国強兵という近代化を日本は徹底して追求した。 この近代化の過程で、資源の乏しい日本は、近隣諸国を軍事力で占領して植民地にし領土を拡張しようと考えた。そのため近隣諸国の資源や人的労働を手に入れるために、まず最初は朝鮮を植民地にすることを画策した。そして朝鮮半島の権益をめぐって、日本と中国(清)との間に日清戦争を起こし、それに勝利すると、南下政策で朝鮮半島などに侵略してきたロシアと日露戦争を開始した。ロシアの勢力拡大を恐れたイギリスは、日本との間で日英同盟を結んで、アジアでの権益の確保を狙った。日本は日英同盟によって、日露戦争に勝利を収めることができたともいえる。 欧米は、イギリスを筆頭に、軍事力によって世界に多くの植民地をもっていたので、日本もそれに倣い、朝鮮を植民地にすると急速に大陸へと侵略の手を進め、中国の満州に傀儡政権を作って日本の領土とした。満州鉄道を作ったり満蒙開拓団を送って、日本の権益を広げていった。と同時に太平洋地域の多数の島々も占領した。新聞やラジオなどのマ…

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反原爆運動に一生を捧げたバーバラ・レイノルズさんのメッセージ

私は19歳のとき、偶然に広島で、アメリカの平和運動家であるバーバラ・レイノルズさんにお会いしたことがあります。彼女はワールドフレンドシップセンターに招待して下さり、来広した作家の「小田実」さんを紹介して下さいました。それから年月はあっと言う間に過ぎ去ってしまいましたが、ネットでバーバラさんのメッセージを読むことができました。ご紹介します。人と人が出会うということは、不思議なものですね。大いなるものに感謝です。 バーバラ・レイノルズさんが、1969年に広島を立ち去る時、ヒロシマの人々に、未来の世界平和に向けての彼女の願いを述べています。ワールド・フレンドシップ・センター http://homepage2.nifty.com/wfchiroshima/japanese/history/cityof.html <span style=color:#00c>バーバラ・レイノルズによる「希望の都市 広島」 年に一度、8月6日の前だけ、世界は広島を思い出す。個人的、思想的偏見により目的は異なっても、とにかく、読者を安心させる再建され繁栄している都市の話をもとめて、または、なお続いている悲惨の原因をさがし求めて、広島にやって来る新聞記者の群れで広島はふくれ上がる。各政党グループは犠牲者の霊を祀った慰霊碑の前で、″平和″大会を開くために、都下りをする。幾千という旅行者がやって来る。その夏の一時期を除くと被爆者は孤立したグループである。彼等の町であるところの広島、…

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2009年の軍事衝突を避けるためには何が必要か?

2009年、世界で何が起きるのか?1927年の世界金融恐慌は、経済に行き詰まり植民地をもてなかったドイツ、イタリア、日本と、膨大な生産力と植民地を持っていてそれで金融危機をきり抜けようとしたイギリスやアメリカなどとの一騎打ちとなった。第二次世界大戦である。 戦争は深刻な経済対立から常に発生している。私は、今回の世界経済の悪化から、世界の至る所で、政治不安は高まり、局地で深刻な軍事衝突が起きていき、戦火がますます拡大をしていくことを深く恐れている。それが結局は壊滅的な破局を人類にもたらすのだ。 その始まりはパレスチナ、そしてパキスタンとインドの軍事衝突かもしれない。ムンバイのテロに加え、宗教対立や不況の直撃によって両国には不満と憎しみが満ち満ちている。それを戦争という手段で解決できるという一種の幻想が、両国に振り撒かれたときには状況は最悪な事態を迎える。 宗教というものは、人間同士を和解させるのではなく、徹底的に相互を憎悪させている。両国はまだ使用したことのない核爆弾を保有しているだけに、想像を絶する凄惨な事態が起きるかも知れない。 そしてまたイスラエルの野望のために、拡大の一途をたどっていくのが、パレスチナでの戦闘である。来年発足するオバマ政権は、イスラエルに対する対応を誤るとすぐに壊滅的な外交政策となるかもしれない。クリントン新国務長官がイスラエルに対して厳正な対応ができなかったら、新政権はブッシュ政権以上に深刻な危機に直面するであろう。これらの紛争は決して対岸の火事ではな…

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原爆の教訓を世界へー鶴見俊輔さんが60万年の人間史を貫く寓話を語る

今、平和を語る:哲学者・鶴見俊輔さん (毎日新聞 2007年1月10日) 原爆の教訓を世界へ! 鶴見: 私は84歳なので、もうろくしています。(笑い)。この「もうろく」をろ過器として使うんだ。毎日毎日のニュースによって物事の判断をせずに、ろ過器を通って沈んだものだけで自分の判断をつくる。すると、どういうことが起きるかというとね、ニュースのエッセンスがね、童話とか寓話(ぐうわ)のようになって、ろ過器から落ちてくる。そこで--単純な寓話というのは、人を殺さないほうがいい、殺すことをよしとして、バンザイバンザイなんていうのはやめたほうがいい。そういうことでしょ。 ー原爆によって、広島と長崎では数カ月以内に約21万人の命が奪われました。 鶴見: 原爆投下というのは60万年の人間史のなかで空前の出来事ですよ。1945年に特別に起きたことでもなければ、日本史の事件でもない。60万年の歴史で、これだけたくさんの同類を殺す兵器は出ていないんです。同類だけでなく生きとし生けるものをたくさん殺した。そのことに対して、アメリカ政府はその状況をまったく説明しないままに、すでに六十余年もたってしまった。これはもう一種の寓話です。それなのに、60万年の人間史を貫く寓話として理解していない。 ー人類史から何も学んでいないと。  鶴見: 人間が誕生して初めて原爆が落とされた。それから60年余りたったから古いなんて言うことはできないでしょ。日本は原爆で得た教訓を忘れてはならないし、世界はそのメッセー…

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原爆とヒューマン・リテラシー

その昔、私は「びっくり星の伝説」という物語を書いたことがある。物語の中で人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことが可能となり、とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができ、この両者の協力によって人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が消滅したという物語である。  1998年5月、私はパキスタンの農村地域でノンフォーマル学校を二百校設立する式典に出席した時、文部大臣の口から次のような祝辞を聞いた。「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育とはこのような科学技術の発展に大きく貢献するものである。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望する。云々」  私はこれを聞き怒りが込み上げてきた。カディール・ハーン氏とはパキスタンの原爆開発の父とも言われる有名な科学者である。もし識字が核開発のような目的のために使われるものならば、その識字は完全に間違っている。」そして、咄嗟に私はその為政者が発言した識字に関し、ヒューマン・リテラシーという新しい概念を考えついた。 「識字は哲学や方向性を持たなければならない。識字とはただ単に読み書き計算ができるかどうかの技術能力の問…

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映像で見る7カ国の核実験ーアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン

World's First Nuclear Bomb (世界初の原爆実験)アメリカ パキスタンは1998年5月28日及び30日に、アフガニスタン国境に近い同国南西部 のバルチスタン州チャガイ丘陵核実験場で、それぞれ5回 と1回の地下核実験を実施した。 28日・30日,計6発の核実験を行なった。  実験場所 バルチスタン州チャガイ丘陵の地中  日  時 1998年5月28日午後3時16分        1998年5月30日午後1時10分  内  容  5月28日(同時に5発)いずれも核分裂装置(原爆)で,最大の威力のもので40-45        キロトン,他は/』・さい。        5月30日(1発)爆発威力14-15キロトンの原爆。 1974年5月18日にポカラン丘陵で行われたインドの原爆実験。 また1998年5月11 ・13日にインドが24年ぶりに核実験を行なった。 実験名シャクティ作戦 実験場所 ラジャスタン州タール砂漢ポカランの地中 日  時 1998年5月11日午後3時45分       1998年5月13日午後O時21分 2) 内容5月11日(同時に3発)核分裂装置 威力12キロトン 3) 熱核装置  威力43キロトン 4) 低爆発力装置  威力O .2キロトン 5月13日(同時に2発) ・低爆発力装置  威力O .5キロトン 低爆発力装置  威力O .3キロトン The …

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戦争の世紀から平和の世紀へー原爆投下について考える

アメリカの核実験は、これまでネバダ砂漠や太平洋を含めて1149回にわたり、約55万の兵士が動員されているといわれています。また実験中には、多数のアメリカ軍の兵士も原爆実験のモルモットのように実験に参加させられ、多数が被爆したといると言われています。 南太平洋で行われたときには、放射能汚染で島を追われた人々が多数いますが、今もなお被爆で苦しんでいる方が多いのは、広島長崎と同じです。アメリカ国内には、今も約100万にのぼる被爆者がいると報告されていますが、驚くことにこうした核実験は民間の軍需会社に委託されているということです。 フランスは、長年にわたって「核実験による被爆者はいないと」との立場をとってきましたが、仏領ポリネシアでは193回核実験を行い多数の被爆者が存在していて、近年、現地で被爆者救援運動が始まっています。アルジェリアのサハラ砂漠の実験の核被害の実態はほとんど知られていませんでしたが、多数の遊牧民に被爆が出ていると言われています。 旧ソ連による核実験は、これまで40年間に亘って、450回以上が秘密裏にカザフスタンで続けられており、カザフスタンでの原爆被爆者は延べ120万人と伝えられています。 エザリという原爆を投下した米軍パイロットが、「広島への原爆投下」を後に、深く後悔し謝罪していたというテレビ報道がありました。彼は「原爆は、広島の市街地ではなく、誰も住んでいないようなところに投下すべきだった。炎の中で焼け死んでいった多数の子どもや女性たちが余りにも可哀…

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アメリカ上院・下院に対して広島・長崎への原爆投下の謝罪を求める

1945年8月 6日 広島や長崎へ原爆を投下し 未曾有の大殺戮を行った アメリカ合衆国は、 日本国民に 謝罪せよ ! 戦後 日本人は虚脱状態の中に置かれ、 口を封ぜられ 筆を封じられ 誰が原爆を投下したのか、 誰が一般市民を殺したのか 明確に認識することもなく、 アメリカ に謝罪も補償も 求めてはこなかった。 しかし、人類歴史のなかで もはや戦勝国という傲慢さは許されない! 「あやまちは 繰り返しません!」という言葉は 日本人の意志で行った侵略戦争を 心から反省する言葉であると同時に これはアメリカ人からも発せられなければならない アメリカにとっても最も必要な言葉。 考えてもみよ! 人類の歴史上 これだけ悲惨な大殺戮が、 広島や長崎の一般市民に 戦争とはいえ、平然と行われたこと、 人類は決してこれを忘れてはならない。 一瞬にして30数万が殺傷された。 東京では、2時間にして10万人が空襲で殺された。 いかに戦争とはいえ、 人殺しの非情な傲慢さに目をつぶってはならない。 歴史は繰り返す! 君よ!もし涙があるならば、 怒りに震える血の涙を流せ! 君よ!もしも言葉を持つならば、 可能な限り行動を開始せよ! 新たなマルティチュードとして そして今、 世界中で進行している深刻な事態に 涙を流せ! もしも想像力があるのなら…

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言葉を伝承するということー人間の謙遜について

1994年に死去された森滝市郎氏(広島大学名誉教授)は世界的に知られた著名な平和運動家でああった。彼は冷戦時代、米ソの核実験や戦争に抗議して、広島平和公園で座り込ながら、自らの被爆体験を語り、核廃絶のために全力を尽くされた生き方は、被爆都市ヒロシマの象徴でもあり、広島市民の誇りでもあった。   あるとき私は、森滝市郎さんの講演を、友人の碓井真行氏(光明寺の住職で、独特の世界を表現する魂の画家)の広島光明寺で聞くことがあった。森滝さんの話は実に生々しく、広島高等師範学校(現広島大学)教授として、三菱重工・江波造船所に動員されていた折に被爆する(44歳)。爆心地からは4キロ離れていたが、右目に窓ガラスの破片が突き刺さり失明。こうした被爆体験などを語られながら、人間の教訓として得たものー「人間ほど愚かな存在はいない。馬鹿と言ってもこれほど馬鹿な存在はいない。核と人類の共存は絶対に出来ないものだ」と話をされ、私は大きな感銘を受けた。そこで講演会のあと、「先生!すごかったです。素晴らしいお話し、とても感動しました。」と感謝すると、森滝さんは、私の方をじっと見たあと、「・・・・・・私がすごいんじゃあないよ。あんたの耳がすごいんだよ。」と謙遜され答えられたのであった。 それを聞いて私は「あんたの耳がすごい」と指摘されたことに思わず嬉しくなった。誉めたつもりだったのに、誉められたのだ。これは悪い気持ちはしない。でもよく考えてみると、森滝さんは「わたしのつまらない話でも、そのように ”すごい”と 聞くこと…

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参院選の自民党候補のうち32%が核武装の検討を容認

2007年7月15日の毎日新聞によれば参院選の自民党候補のうち32%が核武装の検討を容認しているという。なるほどこれが自民党の実態なのだ。かれらが考える核武装とは、結局のところ憲法九条を変え、核兵器を製造して、日本の軍事産業を強化し、、武器輸出も自由にできる国にしようという目論見である。そして近隣諸国との過去はすべて容赦なく踏みにじって水に流してしまい、米軍の傘下で汗を流しながら、率先して血を流すという国づくりを目指しているのだ。そしてその中で利益をどうむさぼっていくかという”流血による経済成長”なのである。つまりこれが安倍首相の唱える美しい国ー日本のありのままの姿とでもいうのであろう。  これは「昨年、北朝鮮が核実験を実施したことを受け、安部以上に異常な麻生外相らが核武装の議論を容認する姿勢を示したことなどが3年間での増加の要因になったとみられる」と報道しているが、日本の将来は確実に危うい。久馬防衛相のような発言はすべてこうした体質から生まれてきているのだ。自民党のほぼ全体が考えている思考なのだ。 これまで日本の平和ボケが続いてきたかと思うと、一転、核武装を要検討となってくるのだから、日本人の思考とは信頼できない。安心できない。世界史に貢献なんてとてもできない。日本は世界中が軍事力の拡大に走る中で、唯一の平和大国を築くことが求められているのに、多くの反対を蹴散らかして率先して軍事大国を目指そうとしている。  こうなったのもつまりは自民党の一党支配が長く続いて、いわゆる民主主義的…

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イラク戦争反対は、今や世界の潮流でかつ常識となっているが、日本の存在とは一体なにか?

毎日新聞の報道によると、前米国大統領のジミー・カーター氏は、英国のブレア英首相のブッシュ政権によるイラク戦争への参戦を「盲目的支持」と厳しく批判したという。ブレア首相は、英国の権益をただひたすらに追い求め、ブッシュ大統領の後を常に追っては、孤立して国内的にも国際的にも大きな批判を浴びてこのほど政権を譲り渡すことになったが、これは世界の良識とでもいう流れである。しかし考えてもみよう。ブレア首相と同じように「盲目的で熱烈な支持」を与えてきたのは、「日本」の小泉と安倍政権であり、彼らも全く同じ立場にあるが、日本の国内からは、ブレア政権を追い落としたような批判も流れも全く出来てこない。そしてイラク戦争など、まるで無責任にどこ吹く風の存在である。これは一体どういうことであるか?日本は石油の権益だけを守っていければそれでいいというのであろうか? 日本は、近代の歴史問題だけでなく、世界の常識や良識からも、はるかに遠い存在となっている。日本国民は、常に真実の歴史の前に立っていないのだ。しかも世界が揺れ動いている時に、こうした機会を虎視眈々と利用しては、ブッシュ政権と日米の同盟関係をさらに強固な軍事同盟へと発展させるための布石を次々と打っているのが実情である。日本には、カーター氏のような、普遍的な考えで、鋭く体制に切り込む政治家は皆無である。もっと、今の時代にふさわしい国民的な新しいコンセプトや行動を作り出さないと意味がない。それにはフレッシュで21世紀にふさわしい複眼的な発想と行動が必要だ。それは、インドや…

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北朝鮮の核実験と世界の子どもたちの未来

2006年10月9日午前、北朝鮮が核実験を行った。これはアメリカや日本から追い詰められ、前進も後退もできず瀬戸際外交で呻吟する金正日体制の恐ろしいあがきである。北朝鮮の行った核実験に大して、国連を通じてさまざまな制裁が課せられるであろうが、これに対して北朝鮮はさらに爆発規模の大きな核実験を繰り返して対処していくのではないか?つまり、2006年の10月9日を境に世界の政治状況は一変した。これは核開発を推進しているイランに大きな影響を与えるのはもちろん、世界での本格的な核拡散の始まりになるのではないか?北東アジアでは、日本や韓国の核武装といった動きも現実化してくることも予想される。こうした一連の動きが子どもたちに与える影響は、想像を絶する。幼い子どもたちに容赦なく、情報化時代の政治用語や軍事用語が飛び込んでいく。そして彼らの想像力は、世界が破滅するのではないかという恐ろしい恐怖感に囚われるのではなかろうか? 創作”大亀ガウディの海”は、このような状況がやってくることを懸念し、15年前に子どもたちのために創作したものだが、日本ではほとんど注目もされなかった本だ。出版した出版社は倒産してしまったぐらいだ。しかし韓国では4社から1万部以上が出版され、多くの読者を獲得している。アフガニスタンやイラクで続いている破局的な戦争とともに、人類の未来はますます暗いものとなりつつある。しかしこれは北朝鮮やイランの責任によってではない。これらの国々を瀬戸際へ追い込んでいったアメリカの責任もまず厳しく問われなけれ…

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20言語で翻訳出版された「太平洋での核実験から生まれた海の環境)物語」・・・デイリーヨミウリ

世界の20言語で翻訳出版された「大亀ガウディの海」は、私が原爆が投下された広島で出生を受け、また太平洋のビキニ環礁で行われた度重なる核実験に怒り苦しみながら執筆したものです。核実験は人間のもたらす環境破壊の中でも最も悲惨なるもので、これを生物の目から寓話風に描いたものです。(デイリーヨミウリに掲載された記事のご紹介) In 1972 Shinji Tajima came upon a turtle in a Tokyo aquarium that inspired him to write the book "Gaudi's Ocean - The Story of a Great Sea Turtle." Tajima watched the turtle, which appeared to be sick, and in a rare and intimate moment of eye contact it seemed to make a plea for its freedom. The writer's first instinct was to aid the turtle's escape, but recalling events such as the Minamata mercury poisoning incident that disabled a number of residents around the bay in Kumamotoken, Tajim…

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[原爆をテーマとした環境絵本を贈る」-2005年8月6日ヒロシマ被爆60周年世界平和大会

  「大亀ガウディの海 Gaudi’s Ocean」の贈呈 2005年8月6日、ヒロシマ被爆60周年世界平和大会に出席した内外の代表者の皆様へ, この絵本は、広島や長崎で起きた人類の悲劇を繰り返さないために核廃絶の願いを込めて、21世紀の世界の子どもたちに向けて、日本・インド・アメリカ・韓国・中国などの作家・画家・翻訳者・出版社など国境を越えて協力し共同出版したものです。  核のない21世紀の世界を求め、作家と絵本作家など5カ国の友人が共同出版した初めての絵本で、広島の原爆投下や太平洋での水爆実験など環境問題をを自然界に住む大亀の目から捉えて書き上げたものです。これは今日の地球環境問題をも交えて鋭く描きだした作品で、1995年には南太平洋でのフランスの核実験に抗議してシラク大統領にも送られました。 この物語は日本語版をもとに、アジア地域ではすでにイラン、インドネシア、韓国、マレーシア、ラオス、パキスタン、タイ、ベトナムなど14カ国の14言語でも翻訳出版されており、2001年にはドイツのベルリンで開催された第一回国際文学祭やアフリカ文学祭において紹介され大きな反響を呼びました。 この絵本は原爆画家として知られている丸木位里・俊氏の友人で、インド画家の最高峰であるA・ラマチャンドラン氏によって60枚のイラストが描かれて絵本となりました。原文の日本語から英語への翻訳は、アメリカの音楽家で翻訳者のT.Mホッフマン氏、3言語の印刷出版は韓国のデザイナーカン・ウー・ヒョン氏、CD版のア…

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