文字の読み書き(識字)とヒューマン・リテラシー

  文字というのは実に不思議なものです。文字を使うと、簡単に紙片に知識や情報を貯蔵できるのですから。例えばパピルスという植物で作った紙に記された古代エジプトの3千年前の出来事だって文字が読めれば簡単に理解できます。人間の社会は、緊密なコミュニケーションによって成り立っていますが、これは文字だけではありません。言葉や文字に加えて、記号、写真、絵図、動作、映像などたくさんの方法があります。 しかし文字が一番複雑で正確に表現したりすることができます。文字の発明は人間の発明の中でも最も素晴らしいものです。もし文字の発明がなかったら、人間の歴史は大きく異なっていたでしょう。文字があれば、何千年前に起きた出来事でも読み解くことができますし、時代を越えて伝えることも、国境を越えてどんな国々の人々にも伝えることができるのです。現代は、コンピューターで写真や映像などさらに印象を具体的に生き生きと瞬時に伝えることができますが、しかし表現の基礎にはすべて文字によるものです。文字は、詳しい事実の表現や複雑な科学知識などを正確に表現することができますが、万能ではありません。文字や言葉(言語)で表現できない世界があることから多様な視聴覚時代が始まっているともいえます。 文字が発明されていなかった時代や文字が使われていなかった時代、人間はすべての出来事を頭の中に記憶しているのでした。紙に記載して記録するということはなかったのです。ですからみんなの記憶力はとても良かったのです。日常のことや歴史の出来事はすべて口承…

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「わたしの人生マップ」の6年生へ送った手紙

「わたしの人生マップ」に参加した6年生たちへ送った私の手紙<2014年3月24日の卒業式の日に> ご卒業おめでとう。 心のこもったお手紙ありがとう。私は完成したあなたの絵地図とお手紙をなんども読みました。どの作品も余りにもすばらしく本当に感動しました。うれしかったです。みんな<自分自身>の人生を幸せに生きたいと真剣に考えていましたから。完成した絵地図は、家の中の壁か、あるいは自分の部屋のどこかに張り出してもう一度よく見て下さい。これを<自分自身で分析(ぶんせき)すると言います。絵図には、みなさんの夢や希望や悩みなどがたくさん描いてありますが、この絵図の完成のためには、次の3つのことを実行して下さい。すると絵地図に書きだしてあることが、実際に実現していきます。 まず最初に全体の絵図の中から、自分の人生の中で一番重要な≪3枚≫をまず選びだして下さい。それは一番実現したいと思っている優先事項(ゆうせんじこう)です。夢や希望がたくさんあって、選ぶのがむずかしいという人がいるかも知れませんが、目標は、しぼればしぼるほど実現しやすくなるのです。それから選び出した3枚の夢や問題などを、どうやったら実現できるか、一生懸命に考えてみてください。それを実際に実現するためには、具体的に何をしたらいいのか、<今すぐにできること>やアイデアを実行するアクションとして全部書き出して下さい。 もし<宇宙飛行士になりたいという夢>をもっていたら、実際に宇宙飛行士となって活躍している人はどうやって宇宙飛行士にな…

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21世紀の ヒューマン・リテラシー

私の執筆した「びっくり星の伝説」の物語の英文名は The Legend of Planet Surprise といい、アジア地域では20ヶ国語以上に翻訳出版された。この物語の中で、人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことができたことを題材とした。とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができる。この両者の協力によって、人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が崩壊してしまったという物語である。これは人間が生み出した「原子力」の存在を意識して書いた寓話である。現在、人間は、原水爆の廃絶でも、原発という平和利用においても、大きな岐路にさしかかっている。 1998年5月のことであった。私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域でノンフォーマル(寺子屋)学校を二百校設立する式典に出席した時、連邦政府の教育大臣の口から次のような祝辞を聞いたことがある。 「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような能力と技術をもつ科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育はこのように科学技術の発展に大きく貢献するものでないといけない。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望している。云々」  私はこれを聞いて怒りが込み上げてき…

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21世紀の ヒューマン・リテラシー

2005年、私は軍政下におけるミャンマーで雑誌のインタビューを受けたことがあります。長時間のインタビュー記事が掲載された後、編集者に反応を聞いてみると「読者からはかってないいい反応がありました」と大変喜んでくれたあと、「検閲はたった1か所だけでした」というのです。「それってどこでしょう」」と尋ねると「社会の事実や真実を次世代にきちんと伝えていくことが大切だ」としゃべったところがすべて削除されたとのこと・・・「なるほど」軍事政権とは、いつも事実や真実を伝えていくことを極度に恐れていると痛切に感じたことでした。 原発ゼロ社会を達成したドイツのある専門家が、「日本には世界に誇るものはたくさんあるが、ビジョンがない」と言い切った。ビジョンがないということ、それは「日本人は、刹那の時間内でしか具体的に物事を把握できない民族」だということである。つまり50年後や100年後など未来へ向けての日本人の生き方の時間空間を描けないということである。確かに近年、日本には、ビジョンらしいものは全く生まれていない。その理由は、現在形は余りにも忙しく、過去にも未来にも目を向ける時間的な余裕が全く無かったということもあるが・・・   ビジョンとは、過去に経験した厳しく辛くさまざまな経験の中から育まれてくるもの。過去の事実や真実を、これを次世代の子どもたちや若者に伝えていくことは、こうした時代を生きた人間たちの大きな義務であるが、それがきちんと果たされていない日本。まるで放射性物質の垂れ流しのように無責任な日本…

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「ヒューマン・リテラシー」という考え方は、核実験から生まれた。

「ヒューマン・リテラシー」という考え方は、核実験から生まれた。私の書いた「びっくり星の伝説」の物語の英文名は The Legend of Planet Surprise といい、アジア地域では30ヶ国語以上に翻訳出版された。 この物語の中で、人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことができたことを題材とした。とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができる。この両者の協力によって、人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が崩壊してしまったという物語である。これは人間が生み出した「原子力」の存在を意識して書いた寓話である。現在、人間は、原水爆の廃絶でも、原発という平和利用においても、大きな岐路にさしかかっている。 1998年5月のこと、私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域でノンフォーマル(寺子屋)学校を二百校設立する式典に出席した時、連邦政府の教育大臣の口から次のような祝辞を聞いたことがある。 「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような能力と技術をもつ科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育はこのように科学技術の発展に大きく貢献するものでないといけない。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していく…

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見える世界から見えない世界へーヒューマン・リテラシーの確立に向けて

その昔、私は「びっくり星の伝説」”The Legend of Planet Surprise” という物語を書いたことがあります。この物語はアジア地域では既に20数言語に翻訳され各国で出版されているのですが、この物語の中で「人間という存在は「言葉と手」を異常に発達」させたために他の生物とは大きく異なり、非常にユニークな文明を築くことが可能となったことを主題にしました。そしてその中でも人間は「驚き」を文明の大きな関心として、特に「言葉」は人の目にも見えない世界や事物を 容易に描写し想像させることができ、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができたというものでした。そしてこの両者の見事な協力によって、他の動物とは全く異なって、人間は文明を大きく発達させたのですが、その使い方を大きく誤ったために人間の文明は何度も危機に瀕し、そして終には宇宙の彼方に消滅してしまったという物語です。 1998年5月、私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域でノンフォーマル学校(青空教室)を200校設立する式典に出席した時、文部大臣の口から次のような祝辞を聞きました。「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような素晴らしい核科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は今日、素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育とはこのような科学技術の発展にも大きく貢献するものである。識字学校がますます増えることによって、我が国の核開発もますます進展していくことを希望する。云々」…

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世界を救う絵地図ワークショップ!学校を救う!子どもたちを救う!

小学生・中学生というのは、人生の中で最も多くのことを夢見ながらも、最も敏感な感覚と苦しみの変化の中に生きている世代です。私はこうした小学生・中学生を対象に、これまで世界各地で、「私の人生マップ」という絵地図分析ワークショップを数多く行ってきましたが、東京都内の参加者の中学生からたくさんの感想をいただきました。   その一部をご紹介します。人生を言葉と絵と地図で可視化することの楽しさや喜びーそしていろいろな悩みを喜びに変えながら、たくましく生きていける実際的な知恵やスキルを獲得することが絵地図の最大の目的なのです。いじめを苦にして自殺しようとする小学生や中学生などにも、どんなに問題が深刻で複雑でも、必ず道があるということをを励ましてやりたいのです。空間を大きく表現できると、必ず出口が見つかるからです。 * 写真は、都内で行った小学校6年生のワークショップの教室風景です。 都内の中学1年生の感想から 〇 人生マップの作成というのは、今までにない体験で、私はこれからの人生、こういう事があるだろう、あるといいなあということを書きましたが、一度書き始めるとどんどん夢が広がって、時間があればそれこそ何十枚でも書いていたと思います。そして本物の地図らしく、道に沿って、その書いたことが実現するだろうという順番に並べてはっていって、苦難するだろうというところには、岩や山を書いたりして工夫していったら、どんどん新しいアイデアが出てきて、とても楽しかったです。作り終わってみると、5年後…

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人間の「言葉と手」を進化させるヒューマン・リテラシ―の哲学

人間の「言葉と手」を進化させるヒューマン・リテラシ―の哲学 その昔、私は「びっくり星の伝説」(The Legend of Planet Surprise) という物語を書いたことがある。物語の中で人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことが可能となり、とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができ、この両者の協力によって人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が消滅したという物語である。アジアの28言語で翻訳された。 人間の言葉と手が作りだした端的な例とは、核文明である。原爆と原発ーこの両方が人間の存在を象徴しており、現代文明を危機に陥れている。 1998年5月、私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域で寺子屋学校を二百校設立する式典に出席した時、教育大臣の口から次のような祝辞を聞いた。 「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育とはこのような科学技術の発展に大きく貢献するものである。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望する。云々」私はこれを聞き怒りが込み上げてきた。 カディール・ハーン氏とはパキスタンの原爆開発の父とも言われる有名な科…

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第5回心の絵地図研究会へのご案内‐2015年6月25日(木曜日)午後7時より

心の絵地図研究会へのご案内 2015年6月25日(木曜日)午後7時から目黒区の都立大学駅近くの中根一丁目会議室にて、心の絵地図分析研究会が開かれます。この研究会は、1か月に1回定期的に「絵地図分析」を徹底研究しようというものです。今回は、絵地図の基本的な発想や背景の説明と同時に、自己分析のやりかたの絵地図を進めます。また「小学校の子どもたちの人生マップ」や「国境を越える河川の環境問題の解決に向けて」など多数の事例研究なども報告され、多分野の方が参集されます。新しい教育創造に向けて、新しい挑戦が始まっています。どなたでもどうぞ気軽にご参加ください。大歓迎します。 2015年6月25日(木曜日)午後7時―9時半です。 申し込みは: iclc2001@gmail.com / tajima777@gmail.com 心の絵地図分析研究会 Picture Map Analysis (PMA) 参加費:1000円(資料代込)会員と学生は半額ですj 詳しくは:http://pma2014.exblog.jp/ 絵地図分析研究会に参加されている会員の皆さまが、今回、自主勉強会をさいたま市で開かれました。ほとんどの方は、現在、会社や大学などでキャリア・カウンセラーなどを行っておられるカウンセリング専門の先生たちですが、自主勉強会では、11月16日「絵地図分析を使ってキャリアカウンセラーのできること」というテーマでをまとめられました。その結果、絵地図分析は、「自己分析を通じて短所を長所に…

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ヒューマン・リテラシーの考え方と実践について

ヒューマン・リテラシー(Human Literacy) とは、「人生や世界の普遍的な目的に向けて、人間力を高めるすべての表現力」のことを意味しています。これは文字の読み書きだけではありません。人間の豊かな感受性を通じてのさまざまな表現行為すべてを意味しています。これは私が、アジア地域の識字教育の経験の中から作り出したコンセプトです。 これは言葉や文字や身体などによる表現力であるとともに、他人の苦しみの軽減のため自分もできる具体的な行為(アクション )を作り出し、人間として人間らしく生きていくための人権確立の行動を意味しているのです。 文字や言葉や映像などによって表現される世界は、「人間のありかた全体に真摯なる責任をもつことが必要」で、どれだけたくさんの知識や情報をもっているかではなく、その方向が正しい方角を向いていることが問題なのです。 例えば、原発報道ひとつ取り上げても、どこまで私たちは、真実を知っているでしょうか?そしてどこまで、自分にできる真実の実現を行っているでしょうか?リテラシーとは彼方にある考え方ではありません。此岸の自分自身から始まる生き方を意味しています。 ヒューマン・リテラシーとは、「人を殺さず、人を生かし、争いをなくし、人間同士が信頼できる世界をつくるために実現していく人間力」と考えています。 このヒューマン・リテラシーを把握するために、「こころの絵地図分析」というワークショップを行っています。次回は5月21日(木)です。 http://p…

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まるで坂道を転がるような勢いで、軍事的に拡大の一途をたどっている日本

まるで坂道を転がるような勢いで、日本は、軍事的に拡大の一途をたどっています。 この安倍政権を一刻も早く退陣させないと、この狂気はこれまで日本が築いてきたすべての重要な価値や生活―平和とか環境とかすべてぶち壊してしまいます。その根元には、秘密法案が存在するので、これも一刻も早く廃案にする必要があります。 また 政府は、「国家安全保障戦略」に、新たに「防衛装備品の活用による平和貢献・国際協力に一層積極的に関与する」と明記するそうです。日本のこれからの平和貢献とか国際協力においては「、鉄砲や潜水艦などの兵器開発」が主要な産業になっていくのでしょうか?!断じて許せません。また今朝の新聞によれば、新たに「共謀罪も成立させようとしています。 日本のくにのかたちが、すでに燃え始めているのです。大きく変化しているのです。 安保戦略「国際貢献に一層関与」 武器輸出推進を明記 2013年12月11日 政府は10日、武器輸出三原則に基づく禁輸政策の見直しに伴い、外交・安全保障政策の包括的な指針として策定する「国家安全保障戦略」に新たに「防衛装備品の活用による平和貢献・国際協力に一層積極的に関与する」と明記する方針を固めた。防衛産業の育成にもつなげる狙いだ。政府関係者が明らかにした。与党内調整がずれ込んだため、17日に閣議決定される方向だ。 戦略は、戦闘機など防衛装備品の高性能化と開発費の高騰に対応するために国際共同開発が主流になっているとして、「共同開発や生産を推進する…

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21世紀のヒューマン・リテラシー

21世紀文明は、さまざまな局面において、絶壁に立って苦悩しています。核文明の破たんや経済的危機は、文明の土台を大きく揺るがし、いずれの国々にも偏狭的な国家主義の波が押し寄せてきています。 現在の世界の状況の中で、真実を見極めることは実に困難です。本当のリテラシー活動とは、真実の表現の上に育つ必要があります。危機を乗り越えるためには、個々人が持っている宇宙性に基づいた人間力と知恵ーこのたくましい人間力こそが、21世紀の最大の力ーヒューマン・リテラシーです。 ヒューマン・リテラシーの哲学とは、「常に、普遍的な目的に向けて、人間力を高めるすべての想像力や表現力」や行動力のことを意味しています。これはだれもがもっている人間の豊かな感受性を通じて、言葉や文字や身体などによる表現を通じて、他人の苦しみの軽減のため行うすべての具体的な行為を意味しています。

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アメリカは広島・長崎への原爆投下を謝罪せよ!ケネディ・アメリカ駐日大使の最初の仕事

2011年7月22日の東京新聞の報道によると、米政府は、現在、原爆開発記念公園を計画しているという。 アメリカの市民団体は批判しているというが、これはアメリカだけでなく全世界の市民も同様である。これがアメリカ政府の原爆についての紛れもない本音であるとしたら、オバマ政権は全世界の市民の敵となってしまうだろう。。われわれ日本人は、こうした米政府の計画に断固として反対を表明する。20世紀を原爆によって、人類を核の炎によって悲しみと怒りの中で汚染したことを絶対に許せない。 新聞記事によると、「米政府は、1940年代に原爆を開発した「マンハッタン計画」を記念する国立歴史公園を計画している。国立公園局は21日までに議会に対し、当時の研究施設周辺を公園にすることを提言。反核市民団体からは「醜い歴史への称賛」と批判が相次いでいる。計画について公園局は「マンハッタン計画を記録し伝える最良の方法」とした。原爆開発研究の現場となったニューメキシコ州ロスアラモス、ワシントン州ハンフォード、テネシー州オークリッジの3カ所に公園を開設することを検討している。サラザール内務長官は「原爆秘密開発はわが国の歴史を最も動かした出来事の一つ」としている。 広島への原爆投下 広島・長崎への原爆投下に対し アメリカは広島市民・長崎市民への原爆投下を謝罪せよ! 1945年8月6日 広島や長崎へ原爆を投下し 人類歴史において未曾有の大殺戮を行った。 アメリカ合衆国は、 広島・長崎市のす…

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寿識字学校の大澤敏郎さんとヒューマン・リテラシーの思想

2007年10月24日に亡くなられた大沢敏郎さん主宰 の 横浜寿(ことぶき)識字学校のニューズレター2006年5月12日第4470号、4471号)  ちからにする寿識字学校  2006年5月12日 第4470号 「このところ、夏日(なつび)があったり、強い風が吹き続けたり、地震も続いています。先週は、お休みでしたので、5月最初の識字です。連休中は、だいたいお天気もよく、どこかに出かけた人、休みなく仕事をした人、ゆっくりとからだを休ませた人など、それぞれに、いい時間だったことと思います。ぼくは、たまっていた(放置していた)あれこれのことを、すこし整理ができました。板を買ってきて、本棚も、ひとつ、つくることができました。部屋の中が、いくぶんすっきりとしました。(頭の中は相変わらずゴチャゴチャです)。 5月6日だけ、東京、渋谷の国連大学で開催されている、「国際識字文化センター(ICLC)]主催の連続セミナー(全8回)の第1回に参加し、センター代表の田島伸二さんのお話と、タイにあるビルマからの難民(カレン族)キャンプでの図書館活動をしてきた渡辺有理子さんのお話を聴くことができました。アジア各地で、肌理(きめ)こまかで多様な実践活動をされている田島さんのお話、いつも敬服し、勉強になります。田島さんの最近の原稿”ヒューマン・リテラシーの理念とその活動について”(アジアウエーブ誌)をすこし引用します。途中からで、ほんのすこしで申しわけありません。 「・・・・そして、咄嗟に私は教育大臣が発…

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文字の読み書き(識字)とヒューマン・リテラシー

文字というのは実に不思議なものです。文字を使うと、簡単に紙片に知識や情報を貯蔵できるのですから。例えばパピルスという植物で作った紙に記された古代エジプトの3千年前の出来事だって文字が読めれば簡単に理解できます。人間の社会は、緊密なコミュニケーションによって成り立っていますが、これは文字だけではありません。言葉や文字に加えて、記号、写真、絵図、動作、映像などたくさんの方法があります。 しかし文字が一番複雑で正確に表現したりすることができます。文字の発明は人間の発明の中でも最も素晴らしいものです。もし文字の発明がなかったら、人間の歴史は大きく異なっていたでしょう。文字があれば、何千年前に起きた出来事でも読み解くことができますし、時代を越えて伝えることも、国境を越えてどんな国々の人々にも伝えることができるのです。現代は、コンピューターで写真や映像などさらに印象を具体的に生き生きと瞬時に伝えることができますが、しかし表現の基礎にはすべて文字によるものです。文字は、詳しい事実の表現や複雑な科学知識などを正確に表現することができますが、万能ではありません。文字や言葉(言語)で表現できない世界があることから多様な視聴覚時代が始まっているともいえます。 文字が発明されていなかった時代や文字が使われていなかった時代、人間はすべての出来事を頭の中に記憶しているのでした。紙に記載して記録するということはなかったのです。ですからみんなの記憶力はとても良かったのです。日常のことや歴史の出来事はすべて口承…

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ヒューマン・リテラシーとはなにか? 現実世界と真実のゆくえ

これは2007年のブログ記事ですが、世の中で真実を知ることがいかに難しいかをミャンマーの現実的な政治を取り上げて述べています。ヒューマン・リテラシーは、事実や真実を知るということ、表現することを最も重要な生きる姿勢として取り上げています。しかしこのことは、現代の世界でいかに難しいことであるか! これはミャンマー、アメリカ、中国だけではなく、日本の原発報道の現場においても、政府や東電の姿勢も全く同じことですね。3月11日、福島原発で炉心溶融というチェルノブイリを超える深刻なメルトダウンが、4基で起きていたにもかかわらず、その事実が東電や政府によって、国民に知らされたのは2ヶ月後でした。マスコミは何を伝えていたのでしょうか?それは国民みんなの目隠しをしていたのです。その間、日本の教育者や科学者はなにを考え、どんな対策を子どもたちにしていたのでしょうか?政治家たるや全く為すべきことを全く為していないのです。 どれだけ深刻な被ばくが、福島を始め東北から関東地域を襲ったことでしょう。放射線のリスクを最小限に抑えるために準備されたヨウ素剤は、とうとう一粒も配布されることはありませんでした。そして文科省が100億円をかけて作成した放射能予測装置(SPEEDI)なども住民の避難に全く活用されることはありませんでした。これが日本のヒューマン・リテラシーの実態なのです。http://www.youtube.com/watch?v=UNjQ8hS7r7A ヒューマン・リテラシーとは、事実や真実に基づい…

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ヒューマン・リテラシーと本当の知

創作活動と識字教育とは、実はこれが相互に最も深く結びついていかなければいけないと思っています。21世紀はだれでも変化に対応する生き方を「知」のレベルでやっていかないと生き残れないように思うのですが、文字で表現できる世界と(文字で表現できない世界も)人間的に生きようとする哲学が、本質的な結びつきを持って、初めて識字教育が普遍的で人間的なものになっていくように思います。 識字教育は、ただ技術的な読み書き計算能力の修練ではなく、読み書きの表現内容や人間の生き方をどのように結びつけるか、そのとき創作活動などが非常に重要な意味と可能性をもってくるように思います。トルストイの物語に「ひとにはどれだけの土地が必要か?」というのがありますが、「ひとにはどのような知識や情報が必要か、そしてそれはなんのために?」と思うのです。人は精神的・物質的空間をどれだけ豊かに持っているかということで、その生き方の豊かさが決まってくると思うのですが、そこには本当の知というものをどのように共有しなければならないかという深刻な課題があるように思います。 現代のように変化が烈しく深刻な問題が方々で起きているというのは、きちんと普遍的な「知」の意味が共有されていないからだと思いますね。最高学府をでて、2言語も3言語もしゃべれて情報化社会の尖兵のようなエリートはたくさんいます。しかし彼らの目標としていうものが、自己の利害のみで人間性に反しているような活動をやっていることが多々あります。識字の問題も実を言うと、それは文字の読み書き…

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ヒューマン・リテラシーの崩壊と日本の危機について

下記に取り上げたのは、2007年のブログの記事ですが、世の中で真実を知ることがいかに難しいかをミャンマーの現実的な政治を取り上げて述べています。ヒューマン・リテラシーという哲学では、事実や真実を知るということ、表現することを最も重要な生きる姿勢として取り上げています。しかしこのことは、現代の世界でいかに難しいことであるか!日本は今や原発から排出される放射能まみれになっています。無能な官僚たちが方向を知らない政治家たちと日本の没落を作り出しています。 道具は、それを最もよく使える者に手渡さないと、恐るべき凶器に変わるのです。政治家や官僚たちは、みずからなんの信念をももたずに、奈落のどん底へのシナリオを恥もなく描き出すに長けた連中です。 これはミャンマー、アメリカ、中国だけではなく、日本の原発報道の現場においても、政府や東電の姿勢も全く同じことです。3月11日、福島原発で炉心溶融というチェルノブイリを超える深刻なメルトダウンが、3基で起きていたにもかかわらず、その事実が東電や政府によって、国民に知らされたのは2ヶ月後でした。政府やマスコミは何を伝えていたのでしょうか?それは国民みんなの目隠しをしていたのです。その間、日本の教育者や科学者はなにを考え、どんな対策を子どもたちにしていたのでしょうか?学者のほとんどは真実を伝えることに懸命ではありません。政治家たるや全く為すべきことを全く為していないのです。 2か月間、どれだけ深刻な被ばくが、福島を始め東北から関東地域を襲ったことでしょう。…

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福島の子どもたちへの緊急署名を!

福島の子ども達のための緊急署名です。短い間に世界中から10万人以上が声をあげています。 無視できない数になるまで、ご協力を!詳しくは以下をクリック下さい。 http://www.avaaz.org/jp/save_the_fukushima_children_1/?tta 現在、21世紀における人間の普遍的な生き方を求めて「ヒューマン・リテラシー」を確立しようと、新しいリテラシー活動を行っていますが、今回の被災を体験した時、ますますどうしようもなく難しい課題を感じます。原発は、世界中で廃止の方向へ動く様相を見せながらも、ますます強化されています。フランスでは78%の人々が反対を表明していますが、原発廃止からは程遠い状況です。福島の事故が決定打となって全廃を決定したドイツのような国はほとんどありません。近い将来問題となってくるは、ロシア、インド、中国、韓国などの原発と原発産業でしょう!彼らの頭は強権によってガラス化しているようで、欧米のように軟弱ではありません。彼らは取り返しのつかない事故が起きないと頭の切り替えはしないのでしょう。いえいえ、取り返しのつかない事故が起きても、決して原発を止めようとはしません。つまり何れの国々も原発による利権構造を失いたくないからです。 どこの国の若者たちも、無限の宿題をかれらの薄い甲羅の上に載せられているようです。その重圧に耐えて、果たして生き延びられるでしょうか? 地中深く埋められた高濃度の放射性廃棄物のガラスの固形物は、早く全廃しないと…

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東北の被災地を歩きながら考えたこと

2011年5月、私は、福島のいわき市で、原発で被災した子どもと大人たちの心のケアのためのワークショップを行いました。これは絵地図分析という心理的な手法によるものです。そのあとは、宮城の宮城野区、岩手の釜石や大槌などの被災地を、自動車ではなく、ヒッチハイクをしながら自らの足でひたすらに歩きました。これがとても良かった!車の窓から見える風景では本当のものはつかめない。車の窓からではなくひたすらに歩いたのです。そして感じたのです。津波が再度襲ってくることを想像しながら、私は、止まったような時間の中で、人々の嘆きと涙を感じながらも瓦礫の中をひたすらに歩きました。 仙台の市役所前から一本松までバスで行き、そこから海岸まで歩きました。約4キロの道のり。家はことごとく倒壊し、海岸あたりの松の木による防砂林は、津波でなぎ倒されていました。会う人はだれもいません。こうした風景を子どもたちに見せたいと思いました。これこそ現在では、最高の教育だと思ったのです。思考力や想像力とは現場で鍛えられるものなのです。 現在、21世紀における人間の普遍的な生き方を求めて「ヒューマン・リテラシー」を確立しようと、新しいリテラシー活動を行っていますが、今回の被災を体験した時、ますますどうしようもなく難しい課題を感じます。原発は、世界中で廃止の方向へ動く様相を見せながらも、ますます強化されています。フランスでは78%の人々が反対を表明していますが、原発廃止からは程遠い状況です。福島の事故が決定打となって全廃を決定したドイ…

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ヒューマン・リテラシーについて苦悩は続く

これは2007年のブログの記事ですが、世の中で真実を知ることがいかに難しいかをミャンマーの現実的な政治を取り上げて述べています。ヒューマン・リテラシーという哲学では、事実や真実を知るということ、表現することを最も重要な生きる姿勢として取り上げています。しかしこのことは、現代の世界でいかに難しいことであるか! これはミャンマー、アメリカ、中国だけではなく、日本の原発報道の現場においても、政府や東電の姿勢も全く同じことですね。3月11日、福島原発で炉心溶融というチェルノブイリを超える深刻なメルトダウンが、4基で起きていたにもかかわらず、その事実が東電や政府によって、国民に知らされたのは2ヶ月後でした。マスコミは何を伝えていたのでしょうか?それは国民みんなの目隠しをしていたのです。その間、日本の教育者や科学者はなにを考え、どんな対策を子どもたちにしていたのでしょうか?政治家たるや全く為すべきことを全く為していないのです。 2か月間、どれだけ深刻な被ばくが、福島を始め東北から関東地域を襲ったことでしょう。その被ばくの影響は、この秋から子どもたちの健康に出てくるものと思われますが、放射線のリスクを最小限に抑えるために準備されたヨウ素剤は、とうとう一粒も配布されることはありませんでした。そして文科省が100億円をかけて作成した放射能予測装置(SPEEDI)なども住民の避難に全く活用されることはありませんでした。これが日本のヒューマン・リテラシーの実態なのです。http://www.youtube.…

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本当の「いのちてんでんこ」

「津波てんでんこ」、「命てんでんこ」の本当の意味を知っていますか? 津波が襲来したとき、親子であっても人のことは構わずに、自分の命を大切にして、それぞれてんでばらばらになって高台に逃げ出すことを意味していますが、それだけではありません。その本当の意味を、私は岩手県両石町の被災地で実際に聞いたことです。 避難所に逃れるとき、年長者は、昭和8年(1933年)の津波(最大で28メートルの津波で1522名が亡くなった)と1960年のチリ津波(最大で6メートルの津波で142名が亡くなった)のことを念頭において油断してしまったというのです。そのため、さらなる高台には逃れなくてみんなで流されてしまったというのです。つまり、明治29年(1896年)の三陸大津波、最大が38メートル、実に22000名が亡くなっていた)ことを全く考えていなかったと言うのです。つまり大津波の襲来を甘く見た結果が、今回の事態を招いたのではないかというのですが、確かにそうでしょう。特に三陸地帯では地震や津波が頻繁に歴史の中で繰り返されていることから、もっともっと重大な対策がとられてよかったのではないでしょうか。 「おじいちゃん、おばあちゃん!大津波が来るから逃げよう」、そう言っても頑固なおじいちゃんやおばあちゃんたちは一緒に逃げ出そうとしない。「わしゃ、この家にいるよ!この家がいいんだよ。ここまでは津波は来ないよ。」おじいちゃんやおばあちゃんは、頑固に自らの体験をもとにそう言ったそうです。そのため心優しき孫の若者たちは…

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核文明におけるヒューマン・リテラシーとはなにか?

その昔、私は「びっくり星の伝説」(The Legend of Planet Surprise) という物語を書いたことがある。物語の中で人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことが可能となり、とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができ、この両者の協力によって人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が消滅したという物語である。アジアの28言語で翻訳された。 人間の言葉と手が作りだした端的な例とは、核文明である。原爆と原発ーこの両方が人間の存在を象徴しており、現代文明を危機に陥れている。 1998年5月、私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域で寺子屋学校を二百校設立する式典に出席した時、教育大臣の口から次のような祝辞を聞いた。 「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育とはこのような科学技術の発展に大きく貢献するものである。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望する。云々」私はこれを聞き怒りが込み上げてきた。 カディール・ハーン氏とはパキスタンの原爆開発の父とも言われる有名な科学者である。もし識字が核開発のような目的のために使われるものな…

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祈りー破局ー地球上で、原発増設のバブルが始まったとき・・・・・

これまで原発について、いろいろ書いてきたが、これは2009年12月9日のブログである。 http://tajimaiclc.at.webry.info/200912/article_3.html (2009年12月9日) http://tajimaiclc.at.webry.info/200909/article_8.html (2009年9月30日) 地球温暖化を防ぐという名目で、世界中で原発増設のラッシュが続いている。中国もインドもこれまでのエネルギーを原子力産業によって100倍に拡大させようとしている。”地球温暖化”を唯一、最大の課題として煽りながら、結局のところは全世界に原発を無限に拡大していく戦略が21世紀の人類が置かれている深刻な道である。 中国国内では、2008年現在、建設中・計画中の原子力発電は、159基もあり、電力としては1億6454万キロワットあるという。しかしインドや中国の環境に対する意識や廃棄物の杜撰な処理の状況から考えると、これらの原発が稼働し始めると、恐ろしい事態が顕在してくるのは明白だ。 日本がどれだけ悪戦苦闘しているか、を考えるだけでも原発は廃棄物の処理に道がないことを知っているのだ。しかも地殻の不安定さや地球がこれから大地震などに遭遇することなどは全く計算には入れられていない。 中国が行う100倍の原発の増設に次いで、インドも狂ったようにエネルギー獲得に乗り出し始めた。そして同時にロシアから空母を購入することを決めた。これは同様に中国も…

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ヒューマン・リテラシーと「びっくり星の伝説」 Legend of Planet Surprise

「びっくり星の伝説」の本のタイトルは、The Legend of Planet Surprise といい、アジア地域では20ヶ国語以上に翻訳出版された。印税は徴収せずに、各国が廉価で刊行できるように協力した本である。この物語の中で、人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことができたことを題材とした。とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができる。この両者の協力によって、人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が崩壊してしまったという物語である。これは人間が生み出した「原子力」の存在を意識して書いた寓話である。現在、人間は、原水爆の廃絶でも、原発という平和利用においても、大きな岐路にさしかかっている。 1998年5月のことであった。私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域でノンフォーマル(寺子屋)学校を二百校設立する式典に出席した時、連邦政府の教育大臣の口から次のような祝辞を聞いたことがある。 「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような能力と技術をもつ科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育はこのように科学技術の発展に大きく貢献するものでないといけない。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望している…

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原爆開発と識字教育

見える世界・見えない世界とヒューマン・リテラシー その昔、私は「びっくり星の伝説」という物語を書いたことがある。物語の中で人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことが可能となり、とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができ、この両者の協力によって人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が消滅したという物語である。  1998年5月、私はパンジャブ州の農村地域でノンフォーマル学校を二百校設立する式典に出席した時、文部大臣の口から次のような祝辞を聞いた。「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育とはこのような科学技術の発展に大きく貢献するものである。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望する。云々」私はこれを聞き怒りが込み上げてきた。 カディール・ハーン氏とはパキスタンの原爆開発の父とも言われる有名な科学者である。もし識字が核開発のような目的のために使われるものならば、その識字は完全に間違っている。」そして、咄嗟に私はその為政者が発言した識字に関し、ヒューマン・リテラシーという新しい概念を考えついた。 「識字は哲学や方向性を持たなけれ…

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中国の08憲章について

08憲章とは、中国の著名な民主派知識人ら303人が署名し、2008年12月10日にインターネット上に公開されたもの。言論の自由など19項目の要求を掲げたが、当局によって即座に削除された。しかし個人のブログなどを通じ短期間に広まった。賛同する署名者だけでも8000人を超えたとされ、同憲章に刺激を受けて民主化を求める声がネット上に多く登場した。 08憲章 一、まえがき  今年は中国立憲百年、「世界人権宣言」公布60周年、「民主の壁」誕生30周年であり、また中国政府が「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に署名して10周年である。長い間の人権災害と困難かつ曲折に満ちた闘いの歴史の後に、目覚めた中国国民は、自由・平等・人権が人類共同の普遍的価値であり、民主・共和・憲政が現代政治の基本的制度枠組みであることを日増しにはっきりと認識しつつある。 こうした普遍的価値と基本的政治制度枠組みを取り除いた「現代化」は、人の権利をはく奪し、人間性を腐らせ、人の尊厳を踏みにじる災難である。21世紀の中国がどこに向かうのか。この種の権威主義的統治下の「現代化」か? それとも普遍的価値を認め、主流文明に溶け込み、民主政体を樹立するのか? それは避けることのできない選択である。  19世紀中葉の歴史の激変は、中国の伝統的専制制度の腐敗を暴露し、中華大地の「数千年間なかった大変動」の序幕を開いた。洋務運動はうつわ面での改良を追求し、甲午戦争(日清戦争1894年)の敗戦は再び体制の時代遅れを暴露した…

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ヒューマン・リテラシーに関する第7章

1章ーこれは「ヒューマン・リテラシー(Human Literacy)」の考え方に基づくもので、自分自身の生き方や人間性を豊かにすることをヒューマン・リテラシーでは最大の目標にしています。これは、どのような宗教的な力も借りません。だれでも自分自身の中にある自然の力と想像力を使って、自分で心理分析を行いながら治癒する方法です。 そのためには、「絵地図分析」という心理的な地図を自分の力で、「文字、絵、漫画、写真、デザインの力の表現などを使って作成するものです。地図があるということは人生では、とても大きな力を得ることになります。そしてそれを絵やデザインで作成することによって、新しい可能性を見出すことができます。またHLI(Human Literacy Index) のインデックスを自分自身で測ってみることも行っています。HLIのインデックスには5段階の方法があります。 2章ー出来あがった絵地図を自分で分析しながら、(親しい友人と一緒に分析するのも効果的です)自分自身のヒューマン・リテラシーを実現するための実行可能なアクションプランを作ることが入門編となります。どのような哲学であれ、アクション=実際の行為がないとなにも実現できません。そのためにこの分析の具体的なやりかたを個々のグループで行いますす。個人でもできます、とてもおもしろく刺激的なワークショップです。 3章ーICLCでは、国境を越えたカリキュラム(教科書や教師研修)作りを行っています。これはさまざまな国籍からなる人々で、共通の教科…

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原爆とヒューマン・リテラシー

その昔、私は「びっくり星の伝説」という物語を書いたことがある。物語の中で人間という存在は「言葉と手」をもっているために他の生物とは異なって、非常にユニークな文明を築くことが可能となり、とくに「言葉」は目に見えない世界や事物を容易に描写し想像させることができたが、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができ、この両者の協力によって人間は文明を発達させたが、その使い方を誤ったために人間の文明が消滅したという物語である。  1998年5月、私はパキスタンの農村地域でノンフォーマル学校を二百校設立する式典に出席した時、文部大臣の口から次のような祝辞を聞いた。「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育とはこのような科学技術の発展に大きく貢献するものである。学校がますます増えることによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望する。云々」  私はこれを聞き怒りが込み上げてきた。カディール・ハーン氏とはパキスタンの原爆開発の父とも言われる有名な科学者である。もし識字が核開発のような目的のために使われるものならば、その識字は完全に間違っている。」そして、咄嗟に私はその為政者が発言した識字に関し、ヒューマン・リテラシーという新しい概念を考えついた。 「識字は哲学や方向性を持たなければならない。識字とはただ単に読み書き計算ができるかどうかの技術能力の問…

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「格差社会と識字教育」ー2008年ICLC識字活動セミナーの開催

日時:2008年4月26日(土曜日)午後1時-5時 場所:環境パートナーシップオフィス「エポ会議室」   〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F   TEL:03-3406-5180/FAX:03-3406-5064 主催:国際識字文化センター(ICLC) テーマ:「国境を越えてーICLCの識字教育の共同プロジェクトについて」 国際識字文化センター(ICLC)のアジア地域での教育活動報告 2007年のICLC活動について、最近の映像を交えて、講演や討議を行う講師:  田島伸二  (ICLC代表)      アティック・ラーマン(パキスタン・環境活動家)      ダニッシュ (私立大学教授) 目的: ICLCは1997年の設立以来、アジア地域の子どもや女性の人権・識字活動・環境問題、平和問題などにおいて、多様な活動を推進してきているが、世界的には貧困・格差や環境などはますます深化しており、識字教育や人権平和教育などはいずれの国々においても深刻な課題に直面している。ICLCは、これまで推進してきたアジア地域での識字教育や文化活動をビデオを交えながら報告し、これをベースにグループ毎にテーマを設けて、討議して今後の方向性を策定する実践的なセミナーを開催する。ICLCの会員はもとより、一般の方々の積極的な参加を願っている。 報告事項と討議内容: (1)女性と子どもの識字    ICLCがこれまでに設置した少年・少女刑務所の4図書館…

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