核時代と子どもたちー「大亀ガウディの海」の誕生

「大亀ガウディの海」の物語を書き始めたのは学生時代の1970年頃のことです。この物語は台風のある日、大海亀との出会いから始まったのです。当時学生だった私は、当時東京の不忍池の湖畔にあった上野水族館に出かけました。台風の日の生き物は、とても自由でワイルドな感じに見えますね。外の自然を感じるからでしょう。水族館の中でその時、私は特別大きな水槽の中で飼われていた一匹の大きな海亀を見たのです。 しかしこれはどう考えても、海亀を見たというより海亀と出会ったと言う方が適切のような気がします。大亀は目に涙を浮かべているようで、しきりにもがき苦しんでいるように見えたのです。チラリと海亀の目と合ったとき、私はつい冗談半分に「大亀さん、いったいどうしました?どうしてそんなに苦しそうにもがいているのです?こんなに設備のいい水族館にいるのにね。私にできることがあったらなにかしてあげますが、どうしたらいいですか?」と呼びかけてみたのです。 私は言葉を発するのではなく、ただ目をまばたきさせながら大亀に尋ねてみたのですが、その瞬間、驚いたことに大亀の目が、電光石火のように輝やくと、すぐに答えたのです。「なにを馬鹿なことをぬかす。お前は自分自身だって助けられないくせに、他の動物を助けてやろうだと!馬鹿をいうな!おれの願いとは、ただもと住んでいた大自然の海へ帰りたいだけだ。早く本当の海へ帰りたい!ここから出してくれ!」と答えたのです。    「えぇー、水族館の外ですか?そうですか、それは困った。どうやって連れ出すか…

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人生の偶然と必然

2015年8月26日 、人生では、いつもなにがあるかわからない。そしてそれが偶然なのか、必然なのか、幸運なのか、不幸なのかもよくわからない。しかし人生はいつもなるようになっていくし、転がるように転がっていく。意志があろうとなかろうと、地震や津波葉も起きるときには必ず起きるし、望まない戦争だって起きていく。しかしどんな時にも、人間の意志ほど大切なものはない。 昨日は早朝、カンボジアのプノンペンにあるホテルの1階で、私はプロジェクトからの出迎えの車を待っていた。するとホテルの玄関口の庭先で、いつもイスに座っている警備員の姿が見えず、イスひとつだけがポツンと置かれていた。そこで私は外に出て警備員の代わりに、そのイスに座って車を待つことにした。しかしなかなか車が来なかったのでWIFIの環境下でもあり、パソコンを取り出して物語を書き始めた。 しばらくするとホテルの中から客がでてきた。背の高い欧米人・・・するとかれはふとこちらに近づいてきて「あなたはなにをやっているのですか?」と聞いてきた。そこで私は、「そういう質問をするあなたはだれですか?」と質問者へ応酬した。すると彼は、「いえ、ホテルの庭の樹木の下で、パソコンを打っている人をみかけたので声をかけてみたのです」という。「・・・私は人間に興味を持っているので・・」と言う。 「なるほど、そうですか」私も丁寧に答えた。「今、私は教育関係の仕事で、カンボジアへ来ていて、図書館設置や識字教育の仕事をしているのですが、そういうあなたは、この国で何…

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核時代と子どもたちへの創作寓話

 私は幼少のときに聞いた広島での原爆体験やビキニ環礁での水爆実験などを深く心に記憶していましたが、やがて高度成長経済の時期に頻発した深刻な日本の公害に多数直面しました。中でも水俣病の存在は大きく、海に生きる多様な生き物たちを、どれだけ深刻な形で水銀汚染したかを知って、日本や世界の海や生き物が絶望的な環境に置かれていると感じたのです。それは1960代の終わりごろでした。   そのため他の生物の身になって、かれらの目から見た人間の文明のついて寓話のスタイルで物語を書こうと決心したのです。そして早大の中央図書館に籠って書き始めたのが「大亀ガウディの海」の物語でした。それは1972年頃のことです。それは、具体的にはこの物語は約40年も前の台風の日、大海亀との出会いから始まったのです。 当時学生だった私は、当時東京の不忍池の湖畔にあった上野水族館に出かけました。台風の日の生き物は、どういうわけかとても自由でワイルドな感じに見えますね。外の自然を感じるからでしょう。水族館の中でその時、私は特別大きな水槽の中で飼われていた一匹の大きな海亀を見たのです。しかしこれはどう考えても、海亀を見たというより海亀と出会ったと言う方が適切のような気がします。大亀は目に涙を浮かべているようで、しきりにもがき苦しんでいるように見えたのです。チラリと海亀の目と合ったとき、私はつい冗談半分に「大亀さん、いったいどうしました?どうしてそんなに苦しそうにもがいているのです?こんなに設備のいい水族館にいるのにね。私にできることが…

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核時代と子どもたち

  私は幼少のときに聞いた広島での原爆体験やビキニ環礁での水爆実験などを深く心に記憶していましたが、やがて高度成長経済の時期に頻発した深刻な日本の公害に多数直面しました。中でも水俣病の存在は大きく、海に生きる多様な生き物たちを、どれだけ深刻な形で水銀汚染したかを知って、日本や世界の海や生き物が絶望的な環境に置かれていると感じたのです。それは1960代の終わりごろでした。                           そのため他の生物の身になって、かれらの目から見た人間の文明のついて寓話のスタイルで物語を書こうと決心したのです。そして早大の中央図書館に籠って書き始めたのが「大亀ガウディの海」の物語でした。それは1972年頃のことです。 それは、具体的にはこの物語は約40年も前の台風の日、大海亀との出会いから始まったのです。当時学生だった私は、当時東京の不忍池の湖畔にあった上野水族館に出かけました。台風の日の生き物は、どういうわけかとても自由でワイルドな感じに見えますね。外の自然を感じるからでしょう。水族館の中でその時、私は特別大きな水槽の中で飼われていた一匹の大きな海亀を見たのです。 しかしこれはどう考えても、海亀を見たというより海亀と出会ったと言う方が適切のような気がします。大亀は目に涙を浮かべているようで、しきりにもがき苦しんでいるように見えたのです。チラリと海亀の目と合ったとき、私はつい冗談半分に「大亀さん、いったいどうしました?どうしてそんなに苦しそうにもがいて…

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現実の悪夢が想起されて、今までに味わったことのない物語ー 大亀ガウディの海 

<書評> 現実の悪夢が想起されて、今までに味わったことのない物語 大亀ガウディの海        ジャー・ヒロ この小説には不思議な存在感がある。亀が語り、魚たちがしゃべり、そして登場する海の、空の生き物たちが言葉を発する、現実ではありえない物語なのだが、やはり心にずしんとのしかかる重力を感じてしまう。それはやはり著者、田島伸二のビキニ環礁に代表される無謀な原爆実験、水爆実験に対する恐怖、憤怒、そして生きとし生けるものたちへの深い愛情が生み出した物語だからこそ、存在感があり、重力を感じるのだろう。  読み始めた頃には、僕にとって、あまりに突飛なこの物語についていけず、少々当惑しながら読んでいたのだが、少しずつ、どう言っていいのか、著者の怨霊にでもトリツカレタとでも言うのか、ずっぽりと物語世界に没入していった自分に、大げさに言えば、恐怖した。「青い珊瑚礁」という言葉に象徴される夢のように美しく、ありとあらゆる海の生き物たちが生を享受している大自然の清らかな海を恋し焦がれる大亀ガウディが水族館から、知恵と策略によって海に脱出してからのさまざまな出来事、エピソードは、現在深刻化を増している福島原発事故の悪夢を思い起こすものであり、どうしてもすらすらと読むことが出来ず、少し読んでは、現実の悪夢に思いを馳せ、また読み進んでは、哀れな福島の住民たちの運命に涙するという、今まで味わったことのない読書での葛藤に戸惑ったのだった。  物語の内容に関しては詳しく語ることを避けるが、終盤の大亀ガウ…

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ベトナムで翻訳出版された「大亀ガウディの海」

「大亀ガウディの海」が、ベトナムの海亀保護に役立ったことを知り、とても嬉しく思っています。この物語はその昔、上野水族館にいた海亀から頼まれて書いた物語なのですから、とても不思議な運命とも言えるのですが・・・ベトナムのあの長い海岸線で、海亀保護に少しでも役立っていることはとても感激的です。良かった!良かった!物語が人を動かし時代を動かしている!!(作者より) http://tajimashinji.at.webry.info/200807/article_5.html

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現実の悪夢が想起されて、今までに味わったことのない物語ー大亀ガウディの海

大亀ガウディの海        ジャー・ヒロ この小説には不思議な存在感がある。亀が語り、魚たちがしゃべり、そして登場する海の、空の生き物たちが言葉を発する、現実ではありえない物語なのだが、やはり心にずしんとのしかかる重力を感じてしまう。それはやはり著者、田島伸二のビキニ環礁に代表される無謀な原爆実験、水爆実験に対する恐怖、憤怒、そして生きとし生けるものたちへの深い愛情が生み出した物語だからこそ、存在感があり、重力を感じるのだろう。  読み始めた頃には、僕にとって、あまりに突飛なこの物語についていけず、少々当惑しながら読んでいたのだが、少しずつ、どう言っていいのか、著者の怨霊にでもトリツカレタとでも言うのか、ずっぽりと物語世界に没入していった自分に、大げさに言えば、恐怖した。「青い珊瑚礁」という言葉に象徴される夢のように美しく、ありとあらゆる海の生き物たちが生を享受している大自然の清らかな海を恋し焦がれる大亀ガウディが水族館から、知恵と策略によって海に脱出してからのさまざまな出来事、エピソードは、現在深刻化を増している福島原発事故の悪夢を思い起こすものであり、どうしてもすらすらと読むことが出来ず、少し読んでは、現実の悪夢に思いを馳せ、また読み進んでは、哀れな福島の住民たちの運命に涙するという、今まで味わったことのない読書での葛藤に戸惑ったのだった。  物語の内容に関しては詳しく語ることを避けるが、終盤の大亀ガウディの英雄的行為はいつまでも余韻となって、僕の心のなかから消えることは…

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インドには宇宙が壊れそうになったとき、神さまが亀になって宇宙を支えたという神話があります。

新聞記者がインドの画家A.ラマチャンドランへ質問した。                            ーあなたは「大亀ガウディの海」という絵本を描いていますね。その中で「亀」の存在を、自然環境との共存のしかたの中ですばらしい視覚表現をされていますが・・・・ 「インド人にとって、亀の存在はとても重要な生き物です。聖なる存在とも言えるものです。インドの三大神のひとつに「ビシュヌ」という神様がいますが、「ビシュヌ」は、宇宙が壊れそうになったときに、亀の形になって、宇宙を下から支えたという神話があるのです。ですから、「大亀ガウディの海」の絵本は、特別の思いで描いたものです。 「作者は、同じ考えを有している友人の田島さんで、彼の原稿を読んだ時、彼が何を伝えたいか、すぐにわかりました。これは他人が書いたお話に絵をつけた唯一の作品です。そして「核時代」という絵は、インドが初めて核実験を行った時に、大きな衝撃を受けて、一気に描いた作品です。ヒロシマやナガサキのこともよく知っていたので、インドの核実験には本当に心を痛めて、憤りました。画家や芸術家のだれもが平和を強く求めています。そのために何ができるかを考える使命があると考えています。」 http://tajimaiclc.at.webry.info/theme/8f0920e880.html

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この世界に正しき怒りと優しさを!!この非常事態の中で・・・・

仏教ボランティアの現場から 正しき怒りと優しさを――『大亀ガウディの海』の作者、田島伸二氏へのインタビューから ●絵本学会での出会い  昨年の六月十二日、東京の大正大学で行われた絵本学会大会に参加した。受付を済ませると懐かしい顔が見える。田島伸二氏であった。かつてニュースレターのインタビューのために会って以来であるから、ほぼ十数年ぶりになるだろうか。お互いに東日本大震災の被災地から帰ってきたばかりで、挨拶もそこそこに田島氏は福島や岩手の話を、私は宮城の話を語ってとどまることがなかった。   田島氏は、現在、自ら立ち上げた「国際識字文化センター(ICLC)」の代表である。識字教育の専門家であり、寓話作家でもある。そして「ケアのための心理絵地図分析(PMA)」を開発した人としても知られている。現職に至る前は、長いこと識字教育の専門家としてユネスコ・JICA・NGOの仕事で、アジア、太平洋諸国、アフリカなどを回っている。  震災後の今読むべき本は何かと、お薦めの本を尋ねると、すかさず「これです」と言って鞄から取り出されたのが、『大亀ガウディの海』(ディンディガル・ベル刊)という絵本であった。だいぶ前に書かれた作品であるのに、その時まで存じあげなかったのだが、その後一読して、まさしく今多くの人々に読んでほしい本であると思った。 ●『大亀ガウディの海』  大都市の水族館を脱出した大海亀のガウディ。夢みていた故郷の海に帰ることに成功するが、故郷の海は環境汚染で破…

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大亀ガウディの海の叫びー世界ヒバクシャ展緊急フォーラム」にて上映

福島の原発事故で、三陸沖では深刻な海洋汚染が続いている。20年前、大海に住むあらゆる生き物が放射能汚染で追われる叫びを、「大亀ガウディの海」は描いた。これは英語版をもとに、アジアの17カ国々に広がっていったが、しかし原発建設の現実は今や、中国やインドをはじめ拡大の一途をたどっている。 このビデオは2011年12月7日、めぐろパーシモンホールで開催された「世界ヒバクシャ展緊急フォーラム」ー福島から全国へ広げよう。女性たちのWA! での上映のために制作されました。  作:田島伸二   制作協力: 福田良典、小澤真人 NPO法人世界ヒバクシャ展:森下美歩、安在尚人 http://www.youtube.com/watch?v=VvoQzYakaO4(大亀ガウディの海の叫び) 21世紀の地球の未来は、予期できないほど怖ろしい姿を現してきた。この本は、原子力の脅威を早くから指摘してきた高木仁三郎氏が高い評価を行っている物語である。 http://tajimaiclc.at.webry.info/200512/article_13.html (古屋和子の語り)

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Everybody has a tree of lifeーだれも自分の中に生命の樹を持っている

"Everybody has a tree of life" - "Everything is connected to water" In 1973 Tajima came upon a turtle in a Tokyo aquarium that inspired him to write the book "Gaudi's Ocean - The Story of a Great Sea Turtle." Tajima watched the turtle, which appeared to be sick, and in a rare and intimate moment of eye contact it seemed to make a plea for its freedom. The writer's first instinct was to aid the turtle's escape, but recalling events such as the Minamata mercury poisoning incident that disabled a number of residents around the bay in Kumamotoken, Tajima began considering the ethics of freeing the turtle in such a hazardous environment. http:/…

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大切なものは壊してはならないー生まれきて宇宙を放射能汚染する人間たち

日本には、近い将来必ず巨大な大地震が再来するのは確実です。こうした確実な情勢をも全く考慮せず、日本政府も原発会社も原発を再稼働しようと試みています。青森では、高濃度の放射性廃棄物が満杯となるので、最終処分のための再利用をがむしゃらに進めようとしています。こうやって日本の沈没が始まっていくのです。 この物語は30年も前に反原発のために書かれて、アジアの多くの国々で翻訳刊行されてきました。そして語られてきました。しかし・・・時代は「沈黙の珊瑚礁」の物語のように奈落のどん底へと進んでいます。宇宙は自らの細胞を防御するために、日本人という人間存在を消し去るのかも知れません。 2010年2月20日に宮城県気仙沼で開かれた「大亀ガウディの海」の語りの会の感想です。 語りに参加された気仙沼の方々は、3.11の大津波で多くの方々が被災されています。 はじめまして。今回「大亀ガウディの海」の古屋和子さんの語りを気仙沼で催させていただきました。以前 一ノ関で 聞く機会があり 大変感動いたしまして 是非 たくさんの人に聞いていただきたいと 思い企画しました。 これまで私は青森の六ヶ所の原子力発電所に反対する運動に関わったりしてきました。 見えない放射能で人間が人間を傷つけ 死に至らせるという そして それは 本当に無責任に 無自覚に 行わされていることに そして私自身も またその中の仕組みの一部分であると知ったとき ものすごく衝撃を受けました。 放射…

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7月10日(日曜日)午後3時半から「大亀ガウデイの海」の語りが行われます。

2011年7月10日に、語り手の古谷和子とチベットの魂の歌手、ソナム・ギャルモの公演が行われます。 Time: 午後3時半より、午後5時半 Place: 港区白金台3-18-1 八百吉ビル6F 二―マルヨガ白金台スタジオ 予約:03-3445-9984  http://www.nirmalyoga.com/eventworkshop/event/710.html 大人2500円、子ども:1000円

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非現実の夢想家ー核へのノーを貫くべきだった!と村上春樹

原発核を平和利用として考え、戦争核と完全に切り離した結果がもたらした惨禍を、思想家や文学者はいかに解釈しているのだろうか?村上春樹が、バルセロナのカタルーニャ国際賞の受賞スピーチで、 「日本人は核に対する『ノー』を叫び続けるべきであったと述べたというが、日本人というよりも村上自身はこれまでどうだったのか?彼は、彼の作品の中で、これまで原発や広島を一言でも述べたことがあるのか?すでに起きた既存事実を評論家よろしく自然エネルギーの時代だとステレオタイプ的に解釈することは誰でもできる。またこれらからの本の宣伝としても、いかようにも解釈できる・・・つまり世界の潮流が定まったとき、あるいは評価は、だれでも大声をあげて反原発や脱原発に賛同することができるのだ。自らの立場は抜きにして・・・・ 日本人自身は、自らが体験した広島の原爆核に対する平和運動などでは、先陣を切って世界中で反核を推進してきたが、しかしヒロシマは原発とは全く結びついていないし、国内にはその反省などは全くない。考えてみれば広島の瀬戸内海のすぐ先にある祝島の原発建設計画とノーモアヒロシマとどのような関係があるのか、まだそれを誰も述べていない。驚くことだ。こうした思考や想像力の実態とはいったいなんであるのか? 佐藤栄作首相の沖縄返還の功労に対して、ノーベル賞を受賞したというのはお笑いものだっだが、彼は沖縄返還にあたって「小骨一本抜きません。国民には嘘は言いません」といいながらも、その陰では、非常時にはアメリカと原爆の本土への持…

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原発の村で、見捨てられた牛・馬・犬・猫・豚・鶏・・・そして

原発の村の、見捨てられた牛や犬を見たことがありますか?ほかの動物たちはいつも人間を見ているのです。「人は、この世でなにをやっているのか」 この物語りは生物の叫びです。http://tajimashinji.at.webry.info/201104/article_13.html 人間は、風の前で揺れて消えそうなフィラメントのようです。「大亀ガウディの海」の最終章の部分では思わず泣いてしまいました。とても感動したのです。これだけ感動した物語はあまりありません。是非、多くのひとびとに読んでほしいと願っています。現代が切実に必要としている物語です。 原発の恐ろしさを描いた絵本ーアジアの17カ国でも翻訳出版された原発寓話「大亀ガウディの海」の語りが行なわれます。海の放射能汚染の中での生物の叫び、次世代の子どもたちに何を伝えていくかhttp://tajimashinji.at.webry.info/201104/article_13.html  2050年、中国やインドでは、原発エネルギーに満ちあふれています。空前の世界景気です。しかし深刻な問題が発生して、次々と問題で石棺を作っていく結果に・・人類の運命を描いた石棺や大亀ガウディの海の語りが行われます。 現在、敦賀原発は故障のため全部止っています。そして浜岡原発も首相の一声で全部止りましたが、解決策は12-13メートルの防潮堤を築くことでしょうか?いえ、大地震によって複雑な配管が音をたてて壊れていくと、冷却などは全くでき…

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5月14日ー古谷和子語り+野中かつみ「大亀ガウディの海」+チベットの魂ソナムの歌が開催されます

今年の最高の語りー古屋和子の語り+野中かつみ「大亀ガウディの海」        石棺ー2050年の原発        チベットの魂のうた ソナム・ギャルモ 出演: 古屋和子(語り手)+野中かつみ(バッファロードラム・インディアンフルート) ソナム・ギャルモ(うた) 日時: 2011年5月14日(土) 開演午後6時30分~午後9時頃 (午後6時15分開場) 会場: ティアラこうとう (江東公会堂) 小ホール 江東区住吉2-28-36  03-3635-5500 地下鉄 都営新宿線・東京メトロ半蔵門線 「住吉」駅下車 A4出口より徒歩4分 主催・切符申込・問合せ先: ディンディガル・ベル (東京都足立区栗原3-23-3)    dinbell@hotmail.co.jp 090-6505-1782 fax 03-5856-1588 入場料:当日券2500円 (前売予約2200円)  切符予約先着20名様に、特製インドの手漉き紙ミニノート「大亀ガウディの海」をさしあげます。 希望の海に向かって泳ぐ魚たち この物語は、アジア地域では18言語に翻訳されており、原子力研究者: 故高木仁三郎氏の推薦です。 宮城県気仙沼での語りの会の感想から・・・(2010年2月20日) 以前一ノ関で聞く機会があり 大変感動いたしまして、是非たくさんの人に聞いていただきたいと思いました。・・・ 生き物たちの悲しみや苦しみまで これまで思い至るこ…

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原発の恐ろしさを描いた絵本ーアジアの17カ国で翻訳出版される

現代の海の環境の中を生きる自然の生き物たちを、一匹の海亀の生き方を通じて、人間社会のありかたを寓話的に描いています。この絵本の着想は、1954年3月、太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験で被ばくした第五福竜丸と自然の生き物の声を代弁しようと、30年前に執筆されてインドのラマチャンドラン氏によって絵本化された物語です。20年も前から始まっている原発の温排水によって、海に垂れ流しになっている放射能汚染にも触れています。 原子力の恐ろしさと大自然の嘆きの声を表現した絵本では、世界でも極めてまれな絵本ともいえますが、日本人の作家とインド人の著名な画家(A.ラマチャンドラン)との共同作品として、東京のディンディガルベルから刊行されています。また英語版はオックスフォード大学出版から1999年に刊行されており、アジアの国々では、インド、イラン、韓国、タイ、ベトナムをはじめ17カ国で翻訳刊行されており、日本ではこの物語の語りが、平家物語の語りで知られている古屋和子さんによって日本全国で行われています。 昨年の2月には気仙沼でも行われました。日本ではまだまだ知る人のみぞ知るといった絵本ですが、福島原発の悲惨な事故などによって、この物語を耳にする参加者の多くは海亀の凄絶な運命に涙しています。この絵本は、何世代にわたって読み継がれていく絵本と内外で高い評価を受けていますが、韓国では9刷りとなっています。 タイ語版 英語版 出演: 古屋和子(語り手)+ソナム・ギャルモ(う…

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8月9日(岡谷市)と9月10日(豊田市)で古屋和子が「大亀ガウディの海」を語ります。

8月9日(月曜日)14時~ 第35回広島・長崎原爆写真展と語り(長野県岡谷の照光寺にて) 長野県岡谷市本町2丁目6−43 電話:0266-22-2314 9月10日(金曜日)18:30~ 豊田市・寺部八幡宮 「とよたストーリーテリング・フェスティバル」 豊田市文化振興財団 文化事業課 世界の17言語で翻訳出版された反核童話「大亀ガウディの海」の語りが行われます: 語り手: 古屋和子 (ストーリーテラー) 「大亀ガウディの海」(田島伸二作) 大亀ガウディの海が伝えようとする世界ー 海底で異変が起きているー人間の世界とはなんだ! ー世界的な画家で絵本作家でもあるA.ラマチャンドランが、2007年に来日した時、この絵本について 次のように話した。 「私が幼いころ、インドには子どもの絵本がありませんでした。子ども向けの本はあっても、絵本はなかったのです。私は祖母からたくさんの昔話を聞く機会がありました。それにお祭りや宗教的な伝統行事といった視覚文化に接することもできました。今、ニューデリーなどの都会では、それは不可能に近いのです。そして何千年も伝承されてきた伝統文化が次々と消えていっているのです。そのため絵本という視覚芸術によって、子どもたちにインド文化を体験をさせてあげようと思いました。」 「私が、ヴィシュヴァバラティ(タゴール国際大学)の学生だった頃、日本画家の秋野不矩(ふく)さんが、先生としておいでになり、日本の…

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A.ラマチャンドランの絵本とインドでの芸術活動

インドのA. ラマチャンドラン (A.Ramachandran) の経歴は、1935年南インドのケララ州に生まれ、1957年ケララ大学を卒業(マラヤラム文学専攻)した後に、西ベンガル州のシャンティニケタンにラビンドラナート・タゴールの創設したヴィスワ・バーラティ学園(タゴール国際大学)の美術学部や博士課程で学ぶ。学生時代には、西ベンガル州の少数民族のサンタルの文化に興味をもったり、アジャンタの壁画なども現地に泊りがけで調査研究したという。1961年からケララの伝統的な壁画の本格的な調査を行い。マラヤラム作家の話をもとに40冊以上の絵本を描いている。 かってインドは、爆発する人口・貧困・カースト制度などを背景に「貧困の代名詞」のように言われてきたが、現在のインドは、経済の自由化のもとにコンピューターや科学技術の華々しい開発で世界経済の中で脚光を浴びながら著しい変化を遂げている。しかし光の部分が強ければ強いほどインドが直面している影の部分も一層深刻でもある。その格差はまさに天文学的である。 こうした激しい変化の体制の中で希望と言えば、インドの各地域に根ざしたNGOが各分野で活躍していることやまたいろいろの分野で、インドの伝統を学びながらも個人の存在としての生き方が輝いている点である。インドには魅力的な人間が多い。それは光と闇が入り混じった世界や相反する世界や多元的な価値観の世界が混在し、そしてその中から絶えず独創的な世界を生み出そうとして苦悩している世界があるからである。インドの伝統文…

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ヒロシマ・ビキニ環礁・水俣・原発から誕生した「大亀ガウディの海」

ヒロシマ・ビキニ環礁・水俣・原発から誕生した「大亀ガウディの海」は、35年前に水族館の海亀との出会いから始まりました。ある台風の日のことでした。当時学生の私は、東京の不忍池の湖畔にあった上野水族館に出かけたことがあります。台風の日の生き物は、どういうわけかとても自由でワイルドな感じに見えますね。外の自然を感じるからでしょう。水族館の中でその時、特別大きな水槽の中で飼われていた一匹の大きな海亀を見たのです。 しかしこれはどう考えても、海亀を見たというより海亀と出会ったと言う方が適切のような気がします。大亀は目に涙を浮かべているようで、しきりにもがき苦しんでいるように見えたのです。チラリと海亀の目と合ったとき、私はつい冗談半分に呼びかけてしまったのです。「大亀さん、いったいどうしました?どうしてそんなに苦しそうにもがいているのです?こんなに設備のいい水族館にいるのにね。私にできることがあったらなにかしてあげますが、どうしたらいいですか?」と。 私は言葉を発せず、ただ目をまばたきさせながら大亀に尋ねてみたのです。するとその瞬間、驚いたことに大亀の目が、電光石火のように輝やくと、すぐに答えたのです。「なにを馬鹿なことをぬかす。お前は自分自身だって助けられないくせに、他の動物を助けてやろうだと!おれの願いは、ただもと住んでいた大自然の海へ帰りたいだけだ。早く本当の海へ帰りたい!ここから出してくれ!」と答えたのです。      「えぇー、水族館の外ですか?そうですか、それは困ったな。どうやっ…

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5月29日、小田原で「大亀ガウディの海」の語りが行われます。

5月29日に小田原で、現在大きな反響の広がっている「大亀ガウディの海」の語りが行われます。 また8月9日は、長野県の岡谷で行われます。 ○ 語り手:古屋和子 ○ とき:5月29日(土) 午後1:30より ○ 場所: オービックビル 2F        小田原駅東口から徒歩8分        伊勢治書店向かい側 ○ 会費: :\500+カンパ 感想よりー ー感動で胸がいっぱい、うまく言葉になりません。原作のテーマの展開がすばらしい語りによって運ばれ、それに絶妙なてさばきのタブラの音色が深みを加えて、原作、語り、音楽のすばらしいコラボレーションでした。感動をありがとうございました。 ーとにかく感動しました。環境問題の奥深さを耳で感じ、ジ―とする気持ちが何とも言えず考えさせられました。語りの世界のすばらしさ・・・ありがとうございました。 ー以前 一ノ関で 聞く機会があり 大変感動し 是非 たくさんの人に聞いていただきたいと 思い、今回、気仙沼で「大亀ガウディの海」の語りを催させていただきました。これまで私は青森の六ヶ所の原子力発電に反対する運動に関わったりしてきました。見えない放射能で人間が人間を傷つけ死に至らせるという そして それは 本当に無責任に 無自覚に行わされていることに そして私自身も またその中の仕組みの一部分であると知ったとき ものすごく衝撃を受けました。 ーただ感動です。すばらしい語りでした。こんなお話は、初めてで…

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古屋和子の語りとアリフ・カーンのタブラ 「大亀ガウディの海」

ー水族館に住む海の生き物たちの考え、価値観、人間観にもリアリティがあり、現代社会がユーモアとアイロニーたっぷりに描かれていて、どんどん物語の世界に惹きこまれていきました。そして、本物の海に戻ったガウディ達が変わり果てた自然、海を見た時の驚き、嘆き、苦しみ、自分の中にあるエゴと葛藤、心の揺れは、現代を生きる多くの人が感じていることでもあると思います。ガウディの叫び声が、こだましています。 ーただ感動です。すばらしい語りでした。こんなお話は、初めてでした。多くの子どもたちに聞かせたい。(見附市) ーすばらしい語りに、目を閉じて聞いていると、心にひびいてきました。環境問題をしっかりと考えていきたいと思いました。 ー力強い声で朗読というより語り部です。自然を大切にしなければならない。すべての生き物のために命の繋がりを大切にというメッセージがしっかりと伝わりました。一人一人が地球を大切にとの考えを持たなくてはと切実に思いました。竹筒の波の音は忘れることはないでしょう。 ーとにかく感動しました。環境問題の奥深さを耳で感じ、ジ―とする気持ちが何とも言えず考えさせられました。語りの世界のすばらしさ・・・ありがとうございました。 ー以前 一ノ関で 聞く機会があり 大変感動し 是非 たくさんの人に聞いていただきたいと 思い、今回、気仙沼で「大亀ガウディの海」の語りを催させていただきました。これまで私は青森の六ヶ所の原子力発電に反対する運動に関わったりしてきました。見えない放射能で…

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バンコクで「命の叫びシリーズ」3冊の児童書が翻訳刊行されました。

2010年4月6日、タイのバンコクで、3冊の本がタノムオン・タマサート大学教授によって翻訳出版され、ブックフェアーで紹介展示されました。 「狐のコンキチ」、「大亀ガウディの海」、「雲の夢想録29篇」です。厳しい政治状況の続いているバンコクですが、こうした「命の叫びシリーズ」の本3冊がタイの子どもたちに読まれるのは、本当に嬉しいことです。 http://www.chulabook.com/description.asp?barcode=9786169054009 (タイ語のガウディ) http://www.chulabook.com/description.asp?barcode=9786169054016(タイ語のコンキチ他5篇) 子どもが未来を創ります。大人ではありません。

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インドで製作された「語りと音楽」のためのA.ラマチャンドランの舞台幕

2010年4月1日、目黒パーシモンホールで開催された「大亀ガウディの海」の語りと音楽のために作成された舞台幕ー製作には1週間かかった。原画は世界的な画家ーA.ラマチャンドラン、原作は田島伸二、今回行われた公演は、インドのタブラ奏者ーアリフ・カーンと語り手の古屋和子のジョイントで感動的に行われた。この背景画は、語りの舞台のために作成され「語りと音楽とともに大きな反響を巻き起こした。 一辺が3.2メートルのタッサーシルクに、手描きで描かれ語りの舞台の背景に用いられています。これはインドコルカタのWEAVERS STUDIOという工房の職人さんたちが8人がかりで丸一週間かかりきりで制作したものだそうです。「大亀ガウディの海」(田島伸二作)のイラストレーションはラマチャンドラン作のもので、本はディンディガル・ベルから出版されている。 The work to prepare this beautiful and huge sized textile of "Gaudi's Ocean" was in progress in March 2010 at Weavers Studio, Kolkata. www.weaversstudio.com. This is 3.2 mtrs Tussar fabric and hand painted, which took 8 experienced workers to work intensively for 6 days. Original ill…

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イランが翻訳刊行した核廃絶の寓話「大亀ガウディの海」

このニュースは、日本のマスコミを含めて世界中の誰もが知らないことですが、驚いたことにイランは、核廃絶を願って書かれた寓話「大亀ガウディの海」の物語をテヘランで翻訳刊行しているのです。もちろん現在、核政策を推進しているイランという国家が翻訳刊行したのではなく、全く個人の研究者が翻訳刊行したもので、かって慶応大学で日本の文学を研究していた文学者によるものです。 この寓話は、アジア地域では、核兵器を有しているインド、パキスタなどを含めて17言語で翻訳出版されている反核の物語です。中国では翻訳はされたのですが、検閲が入って印刷されてはいません。しかし韓国ではオリジナルから翻訳刊行されています。                          カン・ウヒョンのイラストによる韓国語版                          インドのマラティ語版                          パキスタンのウルドゥ語版 イランが核廃絶会議 「すべての国に核エネルギーを」 2010年4月6日1時14分(朝日コム) イランが17、18の両日、核兵器廃絶をテーマにした国際会議を開く。イランの核問題をめぐっては、欧米が核兵器開発を疑い、追加制裁に向けた議論を続けており、ワシントンでは12、13の両日、核保安サミットが予定されている。 イランは独自の国際会議をサミット直後に開き、同国の立場を国際社会にア…

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なぜ子どもたちに絵本を描くのか?A.ラマチャンドランは語った・・・・

ー世界的な画家で絵本作家でもあるA.ラマチャンドランが、2007年に来日した時、絵本について次のように話した。 「私が幼いころ、インドには子どもの絵本がありませんでした。子ども向けの本はあっても、絵本はなかったのです。私は祖母からたくさんの昔話を聞く機会がありました。それにお祭りや宗教的な伝統行事といった視覚文化に接することもできました。今、ニューデリーなどの都会では、それは不可能に近いのです。そして何千年も伝承されてきた伝統文化が次々と消えていっているのです。そのため絵本という視覚芸術によって、子どもたちにインド文化を体験をさせてあげようと思いました。」 「私が、ヴィシュヴァバラティ(タゴール国際大学)の学生だった頃、日本画家の秋野不矩(ふく)さんが、先生としておいでになり、日本の絵本に接する機会を得ました。一流の画家たちがその才能を子どもの本の分野でも発揮していることを知りました。秋野先生が絵本を描くようにすすめてくれました。」 ーあなたは「大亀ガウディの海」という絵本を描いていますね。その中で「亀」の存在を、自然環境との共存のしかたの中ですばらしい視覚表現をされていますが・・・・ 「インド人にとって、亀の存在はとても重要な生き物です。聖なる存在とも言えるものです。インドの三大神のひとつに「ビシュヌ」という神様がいますが、「ビシュヌ」は、宇宙が壊れそうになったときに、亀の形になって、宇宙を下から支えたという神話があるのです。ですから、「大亀ガウディの海」の絵本は、特別…

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4月1日インドのタブラと地球環境物語の語りの共演ー目黒パーシモンホールにて

4月1日 アリフ・カーン来日 多くの感動を世界中で与えてきた「大亀ガウディの海」が、 ついにタブラ界のプリンス アリフ・カーンとタブラの演奏と、 古屋和子の語りという夢の競演により上演!! タブラを、自由に自分の言葉のように操るアリフが描く海からは、 波の音が聞こえ、 海の生き物たちの声が聞こえる。 二人のアーティストの描く海の生き物の世界が一つとなり、 私たちに問いかける! 日時 2010年4月1日(木) 開場 13時  開演 13時30分 - 場所  東京・目黒パーシモンホール 小ホール http://www.persimmon.or.jp/know/access.php#b 昼の部 「海・水・生命」-語りとタブラによる『大亀ガウディの海』 出演 語り   古屋和子 タブラ  アリフ・カーン 出演アーティスト紹介  ARIF KHAN(アリフ・カーン)   タブラ・アーティスト  1986年生。850年もの長い歴史をもつタブラ奏者の家系、ファルカーバード派第34代。2歳からタブラ演奏を学び6歳でデビュー、数千人の聴衆を魅了した。以来古典と現代音楽を取り入れた演奏スタイルで、インドのほか、バングラデシュ、アメリカ、ドイツなどで演奏活動を行う。 古屋和子(ふるやかずこ) 語り手  「明空風堂」を主宰。説教・平家・近松等の古典作品や鏡花・中島敦等の近代古典から童話まで、幅広い語りの世界を展開してい…

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命や魂の響きを感じた「大亀ガウディの海」のときー古屋和子さんのストーリーテリング

「昨年の12月15日に、中目黒GTプラザで開かれた、「大亀ガウディの海」の語りは、心の奥底に響く大変すばらしいものでした。ちょっと長くなりますが、改めて感想をお伝えできたらと思います。」と参加者のKさんからメールをいただきました。 「・・・・・・・物語冒頭、高層ビルの水族館に連れて来られたガウディの憂鬱、大きな呻き声は、私の心を捉えました。人間のエゴで作られたニセモノの世界への違和感、悲しみ、苦しみが、古屋さんの創造的で臨場感あふれる語りで、強く迫ってきました。水族館に住む海の生き物たちの考え、価値観、人間観にもリアリティがあり、現代社会がユーモアと アイロニーたっぷりに描かれていて、どんどん物語の世界に惹きこまれていきました。 また、 「同じプールの中で生まれて死んでいくのに、何とかつながりでも持てるとしたら、生き物どうしずいぶん楽になるんじゃないか。」 「涙を流している者には、何を聞かなくても耳を傾けるだけで、涙のわけが流れこんでくるそうです。 誰だって話し相手は欲しいもの。寂しいんですよ。」 「わしがのろまだと?おまえはいったい誰とくらべたのじゃ。~わしにはわしの速さがあるし、大亀には大亀の速さがある。~大自然の中を泳ぐには、全身を自然の知恵で武装しないと、生きられんわけさ・・・」 「いろいろ束縛しているあらゆるたずなを、~解き放ってやることが必要なのです。」 「本来自由に生まれついているんだから、自由でなくなったら大亀のようにどっかが狂っていくのは当然だよ。…

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語りの世界がつむぎ出す「命のメッセージ」古屋和子の語りから

2009年12月15日、中目黒GTプラザで、昼夜2回にわたって古屋和子氏の語りの会が行われた。古屋和子氏は、中世の平家物語や近松門左衛門などの作品の語りでよく知られた語りの達人であるが、現代の環境作品「大亀ガウディの海」は、彼女にとっては本格的な本邦初公演だった。 1時間を超える語りが終わった時、会場には大きな感動が巻き起こった。そこには目を真っ赤に晴らした多数の聴衆があった。物語に引きこまれたのだ。語りの世界・・・これは語りの凄さというものかもしれないが、この作品が表現した今の地球環境や追い詰められた海の生物たちの呻き声は、まるで彼女自身が自然を代弁しているかのようであった。地球環境や生物環境は、今絶壁に立たされている。私たちが岐路にたっているのを実感した。 語りとはそれにしても凄い世界だ。それにとびきりおもしろい。身も心もゾクゾクする。語りには、なにも仕掛けはない。ただ言葉で絶妙にすべての世界を表現する。彼女は語りの中で、歌を3曲歌った。波の音、魚、子亀たちの心を歌った。聴衆は想像力を駆使して、喜んだり、怒ったり、泣いたり、笑ったり、そして考えた。 私たち人間という存在を・・・・人間は歴史始まって以来、こうしていつも人は他人の言葉に耳を傾け、そして口を開いて相互に語りあってきたのだろうが、現代のようにテレビやコンピューターなどの機械が人間に代わって登場すると、他人の肉声に長く耳を傾けることが非常に少なくなった。稀になった。これはある意味では、他の存在に対して興味や…

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