国際識字文化センター(ICLC)とはなにか?

人間性の尊厳を向上させるヒューマン・リテラシーを推進する教育・文化・コミュニケーション活動です。 国際識字文化センター(ICLC)は、アジアやアフリカなど途上国が直面している子どもや大人たちの識字教育(読み書き計算能力)や人間教育の開発に向けて、1997年5月、5カ国(日本、インド、韓国、中国、米国)の有志によって国際NGOとして東京に設立されたものです。 https://www.facebook.com/iclciclc/ FACEBOOK 〇活動分野 ーさまざまな国の人々が共同で行う絵本出版 ー心の絵地図ワークショップ ー雑草からの紙漉きワークショプ ー紙芝居や絵本の教材開発 ーキラン図書館(刑務所内や村落のこどもたち) ーその他 問い合わせ先:  iclc2001@gmail.com

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見える世界から見えない世界へーヒューマン・リテラシーの確立に向けて

見える世界から見えない世界へー その昔、私は「びっくり星の伝説」”The Legend of Planet Surprise” という物語を書いたことがあります。この物語はアジア地域では既に20数言語に翻訳され各国で出版されているのですが、この物語の中で「人間という存在は「言葉と手」を異常に発達」させたために他の生物とは大きく異なり、非常にユニークな文明を築くことが可能となったことを主題にしました。そしてその中でも人間は「驚き」を文明の大きな関心として、特に「言葉」は人の目にも見えない世界や事物を 容易に描写し想像させることができ、人間の「手」はそれを実際に目に見える世界に具体化させることができたというものでした。そしてこの両者の見事な協力によって、他の動物とは全く異なって、人間は文明を大きく発達させたのですが、その使い方を大きく誤ったために人間の文明は何度も危機に瀕し、そして終には宇宙の彼方に消滅してしまったという物語です。 1998年5月、私はパキスタンのパンジャブ州の農村地域でノンフォーマル学校(青空教室)を200校設立する式典に出席した時、文部大臣の口から次のような祝辞を聞きました。「今日、我が国には10数人のカディール・ハーン博士のような素晴らしい核科学者が存在している。彼らの努力によって今日、我々は今日、素晴らしい科学技術を達成することができたが、識字教育とはこのような科学技術の発展にも大きく貢献するものである。識字学校がますます増えることによって、我が国の核開発もますます…

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ユネスコの唱える識字教育とは何か?その基本的な問題点!

ここカンボジアでは、識字教育が実に大きく必要とされています。こうした状況は、戦火のアフガニスタンでも全く同じで、「持てる者と持たざる者との大きなギャップ」が世界的に生まれてきているのです。しかしユネスコ自身は、残念ながら官僚の狭い主導によって、こうした大きな変化や必要性を全く認識することができず、「識字教育」自身を、パリ本部にある部門から完全に除去してしまって、ドイツのハンブルグにあるユネスコ教育研究所に移管させてしまっているのです。ユネスコは、なんという短絡的かつ稚拙な戦略や認識なのでしょう。しかもユネスコは、WHOと同じく現代の原発の問題や放射能被災の問題にもなんら触れようとせず(これはIAEAとの関係で)、それでいてESDを今後の方針として大きく推進していくと豪語しているのですから、ユネスコの教育・科学・文化機関の”科学”部門が、大きな声をあげて泣いているのも無理もありません。これは部門だけでなくて、世界中の持たざる者が泣いているのですが・・・・・ こうした中で電気などを必要とするアニメーションではなくて、手造りのフォークメディアが識字教育の中で大きく活躍していくことが、現在のアナログメディアの代表とも言えるものではないでしょうか?今回のカンボジア訪問では、実に大きな発見や創造があり、これがこれからの世界の認識と進展に向けて大きな役割を果たすであろうと想像できて、実にわくわくとしています。

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竹と詩の国での識字ワークショップ

1987年のことである。 バンコックで食べた海鮮料理の味を思い出しながら、私はベトナム航空に乗って、機上からベトナムの山々をながめていた。ベトナムの山々はタイの山々と比べると緑が少なく、あちらこちらに赤い地肌が痛々しく見える。聞くところでは森林を伐採した後、何も植林がなされていないとのことだが、私の脳裏には様々な事が流れた。 このあたりはベトナム戦争で、最も激しい戦闘が行なわれたところに違いない。おそらく北爆のコースにあたっていたのではないだろうか。戦争後、すでに12年がすぎるが、今回ベトナムの素顔を見れることになることは、とても従来では考えられなかったことである。 1987年のベトナムの教育状況は、識字率(十五歳以上)が85%といわれているが、50以上の少数民族や、深刻な経済問題など沢山の課題をかかえており、ACCUは識字教材の開発における協力を求められた。日本からは絵本作家の津田櫓冬氏、インドネシアから教材製作を担当するノンフォーマル教育専門家のドコ氏、ユネスコからサキヤ氏が加わった。 ハノイ空港に配置された多数のミグ戦闘機を見た時、ベトナムが未だ厳しい国際情勢の中におかれているのを実感したが、機が着陸態勢に入った頃より、何となく胃の調子がひどく悪いのを感じていた。それは悪いというよりも、胃が猛烈に痛かったのである。それは入国審査が行われている時に最悪に達した。 つまり私はパスポートを検査官にさしだすと同時に、検査官の机に激しく嘔吐してしまったのである。入国審…

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アジアの格差の拡大で、富裕層はさらに富裕に、貧困層はさらに貧困に!

アジア開発銀行の報告によると、「中国を筆頭に、アジア各国の経済は好調だが、90年代以降、「途上国では貧困層が豊かになるスピードよりも、富裕層がさらに豊かになる方がはるかに速く、格差の拡大で社会が不安定になり、成長を妨げる恐れがある」と警告している。 これらの要因を作り出しているのは、「教育」における格差の存在が最も大きな鍵を握っている。富裕層が豊かになるための教育には、十二分な投資が効果的に惜しみなく行われているが、貧困層に向けては全く無視されている厳しい世界の現実がある。これが暴力世界やテロを誘発する要因を作り出す最大の要因になっている。これを直視せずに、世界の貧困や紛争は絶対に解決は不可能である。 アジア・太平洋地域の識字教育に約30年間たずさわった経験から痛感するのは、なかでも最も深刻な影響を受けている非識字者の約70%以上を占めるアジアやアフリカなど途上国の子どもたちや女性たちである。特に女性の非識字者が増加しているのは、これからの世界を考えるとき、深刻な事態を予想させる。 アジアの農村へ行くと、女性は育児、生活、教育、生産、経済など社会生活のすべてを担っているにもかかわらず、学ぶ機会は閉ざされている。私たちはややもすれば現代の経済や政治のように、目に見え。予算になり、具体的で即効性のある力による対処のしかたに心を奪われているが、しかし世界がしばしば大きな破綻ときたすのは、いつの時代も目には見えない重要な人間的な教育が切り捨てられる時である。 文字は思考や活動を記…

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9月8日の「国際識字の日」にNHK国際放送で話したこと

これは9月8日にNHKラジオ国際放送で20カ国に放送されました。 1:識字に関して、これまでどういう取り組みがなされ、世界的には現在どういう状況にありますか? In 1990, delegates from 155 countries, as well as representatives from 150 organizations has been attending at the World Conference on Education for All in Jomtien, Thailand (5-9 March 1990) to universalize primary education and massively reduce illiteracy by the year 2000, with sufficient emphasis on female literacy to significantly reduce the current disparity between male and female illiteracy rates for the actions and there was big result of these ten years. However, there is still an adult of about 800 million illiterate and about 100 million children out of the…

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人を励ます識字とは?ー書くことのちから 識字シリーズ No.13

今回は、大沢敏郎さんが主宰しておられる横浜の寿(ことぶき)識字学校のお便り(ニューズレター)を掲載させていただきました。2006年5月12日第4470号、4471号)(無断転載お許し下さい!)このお便りにはすべてルビがふってあり、識字学校の生徒さんの教科書ともなるもので、文章の合間に大沢さんの識字に向けての人を励ます情熱や理想や暖かさを強く感じました。「識字」は、人を励まし人間関係を作り出す力となるものですね。 ちからにする 寿識字学校  2006年5月12日 第4470号 「このところ、夏日(なつび)があったり、強い風が吹き続けたり、地震も続いています。先週は、お休みでしたので、5月最初の識字です。連休中は、だいたいお天気もよく、どこかに出かけた人、休みなく仕事をした人、ゆっくりとからだを休ませた人など、それぞれに、いい時間だったことと思います。ぼくは、たまっていた(放置していた)あれこれのことを、すこし整理ができました。板を買ってきて、本棚も、ひとつ、つくることができました。部屋の中が、いくぶんすっきりとしました。(頭の中は相変わらずゴチャゴチャです)。 5月6日だけ、東京、渋谷の国連大学で開催されている、「国際識字文化センター(ICLC)]主催の連続セミナー(全8回)の第1回に参加し、センター代表の田島伸二さんのお話と、タイにあるビルマからの難民(カレン族)キャンプでの図書館活動をしてきた渡辺有理子さんのお話を聴くことができました。アジア各地で、肌理(きめ)こまか…

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識字シリーズNO.10 現代と識字

識字の問題は、それぞれの時代の文明のありかたをリアルに表現しており、現代のように多様で大量な情報の海を生きるためには、テレビや広告や宣伝などあらゆるメディアについての批判的能力の形成が子ども時代から非常に重要となっている。それは今日の多様なメディアに十分にアクセスできる能力と同時に、それを分析評価したり、あるいは多様な形態でコミュニケーションを創りだすことのできる能力を指しているもので、それはこれまでの社会がもっていた読み書きなど文字を中心に考えられてきた識字(リテラシー)の概念を超えて、映像やあらゆる形態の電子コミュニケーションを広く理解し、創造する力を含んだ新しい概念である。21世紀にはコンピューターによってますます多様で迅速なコミュニケーションが実現するだろうが、それが利益だけを追求して、市場経済だけの成功を求める単なる機能や効率を求める場合には、取り返しのつかない人間疎外や不信が生じてくるだろう。  そして現代世界は識字(リテラシー)を狭義に理解し、文字文化を偏重するあまりに自然の視覚・聴覚・触覚・味覚・直感・運動などコミュニケーションの大いなる可能性を十分育ててはこなかったこと。特に、日本の子どもたちは、受験教育や学習指導要領などに代表される読み書き能力を中心とした学力偏重によって、豊かな感性による想像力やたくましい創造力を養う機会を奪われてきた。その結果人間的な感受性や表現能力が非常に乏しい結果となっている。コミュニケーションができていないのだ。自然や人間の基礎にある豊かな生き方を絶…

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識字シリーズNO.8 カルチュラル・リテラシーと日中韓歴史関係

カルチュラル・リテラシーという言葉を知っていますか?。この意味は、多様な価値観などを理解しようと努め、異文化に対しても偏見を持たずにコミュニケーションできる能力のことを言いますが、自らの文化や価値観を一方的に押し付ける重大な過ちの深刻さの意味を世界はよく理解していないように思えます。国家の関係でも人間関係でも壊れそうなほど脆い世界が、これで終わることもあるのです。ある人にとっては馬鹿笑いになっても、ほかの人にとっては深い悲しみになったり、そして限りない憎しみに発展することもあるのです。  ネットの世界では今や様々の意味や体験の異なる言葉が激しく行き交っており、ちょっとした言葉でも使い方が異なると大きな誤解が発生したり、非常に深刻な問題になることがあります。そしてカルチュラル・リテラシーとは、国や異なった文化圏・宗教圏など対岸の世界にあるのではなく、実は自分たちの住む家族のなかや身近かな友人の世界にも存在しているのです。関係が近ければ近いほど、歴史関係が複雑であればるほど細心の注意が必要ですが、最近の日本の状況は最悪で、関係の深かった韓国や中国との間には深い憎悪の谷間が生まれてしまっています。日本の首相の認識している靖国参拝や戦争体験の感覚が、今や最悪のカルチュラル・リテラシになっているのではないかと思います。考えてみてください。現在、これらの国々の首脳とは全くコミュ二ニケーションがとれなくなっていますし、しかもこれらの国々の無数の若者たちは、日本に対していいようのない怒りや憎しみを抱き始めて…

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生きる思想!アジアウエーブの記事から

21世紀の人間社会の深刻な課題に挑戦するには?次のサイトは参考になるかもしれません。アジア地域での長年の識字教育の実践からヒューマン・リテラシーの考え方が生まれました! http://www.iclc2001.org/pdf/asiawave2006_05.pdf 生きる思想を作るのは、本の中や寄せ集めの文章の中から作るものではありません。自分の足で歩き足を傷だらけにしながら、踏み分け道の中で作るものです。高速道路のように出来上がった道路を走って、それが快適だという方にはこのサイトの中の意味はわかりませんね!そしてそのような方には、空を浮かんで流れる雲の気持ちもわかりませんね。

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言葉・文字・平和・自己表現をめざすICLC 識字シリーズNO.7 

ICLCを知っていますか?国際識字文化センター(ICLC)は、アジアやアフリカなど発展途上国が直面している子どもたちの識字教育(読み書き計算能力)や文化の共同プロジェクトに向けて、1997年5月、5カ国(日本、インド、韓国、中国、米国)の有志によって国際NGOとして東京に設立されたものです。 世界が直面している格差の問題の根源には、現在、世界で約10億人を超える読み書きの出来ない人々がいますが、彼らは貧困や病気や環境破壊の中で、非識字のために、人間らしく生きていくための知識や情報を得ることができない厳しい状況の中で暮しています。そのため国際識字文化センターは、アジア・太平洋地域の人権・環境・平和・教育・文化などの分野で、識字教育(リテラシー)と深く連携しながら、国境を越えた多様な形での“識字教育“の実践を行っている非政府組織の専門家集団です。 1998年5月、パキスタンの農村地域で私は、ノンフォーマル学校を二百校設立する式典に出席した時、教育大臣の口から次のような祝辞を聞きました。「今日、我が国には10数人のカディール・カーン博士のような科学者が存在している。識字教育は核開発など科学技術の発展に大きく貢献するものである。学校が増え識字率が向上することによって、我が国の核開発がますます進展していくことを希望する。云々」私はこれを聞き怒りが込み上げてきました。 カーン氏とはパキスタンの原爆開発の父とも言われる著名な科学者です。もし識字が核開発のような目…

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識字シリーズNO.5 春は講演・映像・音楽・展示・ワークショップ・・・・・・  

ICLC2006年春の展示+セミナー 「現代アジアの子どもたちが直面している現実」 講演・映像・音楽・展示・ワークショップ活動   ICLCは、ヒューマン・リテラシー(人間性の尊厳を高める識字教育)を推進するために、1997年以降、アジア各国でさまざまな活動を実践していますが、現在の世界は、差別や貧困、戦争や環境破壊などがますます深刻な課題として膨れ上がっているのが現実です。多くの国では、貧困による犯罪や冤罪・といったさまざまな理由で、多くのこどもたちが刑務所に入れられています。「本を読みたい」、「もっと生きた知識を」といった彼らの叫びに応えるために、ICLCは、2000年よりキラン(太陽の光)ライブラリーを設置し、同時に識字活動を多様に広げるために、紙漉きを通じてのコミュニティ活動、絵地図分析のセミナー、多様な創作表現活動などを推進しています。今回の展示やセミナーを通じて、ご支援下さる皆さまと、さらに新しいヒューマン・リテラシーの幅広い活動へと結びつけていきたいと思っています。 会期中には、テーマごとに「ビデオ上映やディスカッション」など刺激的で面白いセミナーも開催致し、海外からも著名な専門家が参加する予定です。皆さまとの新しい出会いを心からお待ちしております。 主催: アジアの子どもたち国際教育協力活動展示・セミナー実行委員会」 (ICLC,パキスタンICLCP,韓国ICLC委員会, インドSakthi Center共催) 会場: GEIC(地球環境パートナーズシップ…

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世界の格差は知から生じる! 識字シリーズNO.1

 アジア・太平洋地域の識字教育に約30年間たずさわった経験から痛感するのは、なかでも最も深刻な影響を受けている非識字者の約70%以上を占めるアジアやアフリカなど途上国の子どもたちや女性たちである。特に女性の非識字者が増加しているのは、これからの世界を考えるとき、深刻な事態を予想させる。 アジアの農村へ行くと、女性は育児、生活、教育、生産、経済など社会生活のすべてを担っているにもかかわらず、学ぶ機会は閉ざされている。私たちはややもすれば現代の経済や政治のように、目に見え。予算になり、具体的で即効性のある力による対処のしかたに心を奪われているが、しかし世界がしばしば大きな破綻ときたすのは、いつの時代も目には見えない重要な人間的な教育が切り捨てられる時である。 文字というのは実に不思議なものである。文字によって、情報を簡単に貯蔵する事ができるし、加工することも、時間や空間を越えて世界に簡単に伝えることもできる。文字は思考や活動を記録したり、人々の表現やコミュニケーション能力を育てながら現実社会を大きく変革させる原動力ともなってきた。しかし、現在、全世界の成人のうちなんと十億人もの人々は、この文字の読み書きが全くできず、非識字者と呼ばれている。,パキスタンの農村地域の女性たちで読み書きのできるものは非常に少ないが、隣国アフガニスタンはパキスタンをはるかに越えて、世界で最も識字率が低く、ほとんどの子どもたちや大人たちは読み書きができない深刻な状況にある。現在、経済面だけでなく世界の識字者と非識…

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