世界の巨大な格差の中で苦しむ刑務所の子どもたちへ 図書館を!

アジア・太平洋地域で識字教育や基礎教育の仕事に携わってきて痛感したことーそれは社会の中で最も抑圧され、最も困難な状況の中で生きざるを得ない子どもたちであった。すべての人にとっては戦争状態のない平和が一番重要だし、生存のためには衣食住のような物理的環境がよく整備されていることは人間の最も重要な用件であるのは間違いないが、識字教育を行っているうちに、人間という存在は、物的なことだけではなく、精神や心の自由があってこそ幸福に存在するように思えた。  こうした精神や心の自由などが存在しないといかに物的な環境が豊富にあっても人間は幸せを感じないし、生の充足感を得ることができない。この人間の豊かな精神活動を支える根拠には ―豊かな言葉があり、人を動かす文字があり、人間性を高める表現活動のすべてがありーそこに識字の課題がすべて存在しているように思えた。特に変化の激しい21世紀には、識字の力を持っていなかったら生きていけない。 1998年の暮れ、私はパキスタン政府の社会福祉省の青少年福祉を担当している職員の依頼で、刑務所に収容されている子どものための識字教育活動に協力する機会を得た。当時私はJICAからパキスタン政府へ識字専門家として派遣され、連邦政府首相識字委員会(PMLC)のアドバイザーをしていた。私は刑務所に収容された子どもたちの実情についてよく知らなかったので、まず職員にパキスタン全土で収容されている子どもの数字や実情を記した資料を要請した。 しかし、いつまでたっても福祉省のスタッ…

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パキスタンの子どもと女性に教育権を!!

パキスタンの子どもと女性の教育権を!! 2012年10月9日、 「パキスタンの女子に学ぶ権利を!「と訴えて幅広い活動してきた14歳の少女マララ・ユスフザイさんが武装勢力によって銃撃されました。彼女は瀕死の重賞で、英国で治療を続けています。武装勢力とは、パキスタン・タリバーン運動と関係ある組織に属する一員で、女性が学ぶ権利を推進することに、武力をもって弾圧している強固な運動体です。 ICLCが推進しているパキスタンでの識字教育も子供と女性が最も優先j順位の高い対象であるだけに、今回の事件も私ごとのように感じられます。パキスタンやアフガニスタンの未来は、頑迷で保守的な権益を守る男たちではなく、自由に表現し、社会の進歩と女性の活動を結びつける運動を行っている無数の女性たちの手にあります。問題は、男たちの生き方を変えねばならないのです。 2009年1月3日、パキスタンのラホールの友人からとても嬉しいニュースが飛び込んできた。それはこれまで8年間、ICLCが活動してきた死刑囚の姉妹の無罪が確定し、すでに釈放され彼女たちは実家に帰れたというのです。 なんという嬉しいニュース。二人の姉妹の苦労や喜びを想像すると思わず涙が出ました。もう8年前になりますが、パキスタンの刑務所に収容された子どもたちの識字活動を推進するICLCのキラン図書館を設置するために、パンジャブ州の砂漠地帯にある女性刑務所を訪れたことがあります。その時、牢獄の中から死刑を宣告された20歳ぐらいの二人の姉妹が私…

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無実の姉妹を救い出すことーキラン図書館の光とはなにか?

2009年1月3日、パキスタンのラホールの友人から嬉しいニュースが飛び込んできました。それはこれまで8年間、ICLCが死刑囚の姉妹の釈放のために活動してきたことが実って、完全無罪が確定して、二人の姉妹が釈放され、彼女たちは実家に帰れたというのです。なんという嬉しいニュース。二人の姉妹の苦労や喜びを想像すると思わず涙が出ました。 もう8年前になりますが、パキスタンの刑務所に収容された子どもたちの識字活動を推進するICLCのキラン図書館を設置するために、パンジャブ州の砂漠地帯にある女性刑務所を訪れたことがあります。その時、牢獄の中から死刑を宣告された20歳ぐらいの二人の姉妹が私たちに懸命に無実を訴えてきたのです。二人は5人をピストルで殺した殺人犯として親族から訴えられており、パキスタン社会の女性差別や怨恨や財産を狙った村で起きた親族の殺人罪の死刑囚として、弁護士もつけられずに投獄されていたのでした。5人殺すというのは、5回の死刑に相当するのだそうです。 刑務所長の深い同情もあって、所長は私に特別にその牢獄を見せて会わせてくれたようですが、真夏の灼熱の小さな牢屋の中で涙を流して「無罪」を訴える二人の姿をみて、なんとかしたいとは思っていましたが、それから1年後、再びキラン図書館を訪れたときその姉妹に会ったのです。 その結果、私はこの件についてラホールの友人に相談したのです。そうしたら運よく彼の弟がスウェーデンで法律を学び最近帰国し、現在ラホール高裁の弁護士をやっているとのこと、早速…

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キラン図書館のロゴマークである「太陽の光」は、ひまわりを象徴しています。

パキスタンのラワルピンディの刑務所の中に設置された子ども図書館は、その名前を「キラン図書館」と言います。 世界中のどのような子どもたちにも、太陽の光はひとしく光を投げかけていることを象徴して、「知識の光」がすべての子どもたちへ・・・という思いから名付けたものです。現在 しかし灼熱の国―パキスタンの太陽の光は余りにもまぶしくて、灼熱の象徴とも思えたので、キラン図書館のロゴマークには、ひまわりの花を描きました。このロゴマークは、みんなにも親しまれて、子どもたちにとっては明るい励みにもなっているそうです。 2010年5月にキラン図書館を研修のために再訪したところ、キラン図書館の周りには、「ひまわりの花」が植えられていました。いったい誰が餓えたのか、ひまわりの花は、太陽の光のもとで、美しく輝いていました。そしてキラン図書館の中で学ぶ子どもたちも、一生懸命に本を読んでいました。 みんなキラン図書館の目的や活動をよく知っており、彼らの態度に尊敬と感謝の気持ちを浮かべているのをひしひしと感じました。 2010年度は、ひろしま祈りの石教育交流財団の協力や鈴木公子氏のご支援を受けて、5月から6月初めにかけて、キラン図書館のあるミャンマーとパキスタンで図書館を支援するスタッフや関係者の研修を行ってきました。今回の研修では、大きな課題として、 (1)スタッフの研修のためのハード(識字のための教師の配備)とソフト(研修プログムの小冊子や)の開発の必要性(2)新しい絵本などの教材の…

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深刻な社会環境が、「子どもたちの今」を直撃しています。これはパキスタンやミャンマーからの報告です。

今回のセミナーは、パキスタン・ミャンマーの8カ所のキラン図書館を中心に、映像や写真表現などを通じてICLCの活動について報告いたします。パキスタンでは、刑務所に収容された子どもたちや女性たちを対象に子ども図書館が設立されており、2000年、ラワルピンディ市に第1館目、20003年、ムルタン市に第2館目、2004年にファイサルバード市に第3館目、2008年にペシャワールに第4館目が設置され活発な活動を続けています。 しかし現在のパキスタン、ミャンマーの深刻な状況が大きく影響し、数多くの困難な課題に直面しています。セミナーではこうした課題を参加者と討議報告する予定です。またミャンマーで新たに開始した「田舎教師」の映画の進捗状況などもお伝えします。 日時: 2010年7月17日(土)午後1時30分~5時 会場: 東京ボランティア・市民活動センター C 会議室 (新宿区神楽河岸1-1 セントラルプラザ10F 低層エレベーター) 最寄駅: JR総武線・地下鉄 飯田橋駅 駅に隣接するビル JR飯田橋駅西口 地下鉄 (有楽町線・東西線・南北線・大江戸線)「B2b」出口 主催: ICLC国際識字文化センター 参加費: 500円 (ICLC会員は無料) 主催: 国際識字文化センター(ICLC) 東京都目黒区中根1-16-10 TEL: 03-3718-5260 090-6505-1782 iclc2001@gmail.com http://www.i…

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緊急ー11月9日に、キラン図書館(刑務所の中の子ども図書館)の報告会が行われます!

パキスタンの子供や女性の識字教育を推進するために、刑務所内に設置したICLCの子ども図書館、「ICLCキラン・ライブラリー」の責任者のタヘル氏がラホールより来日されました。 このため、ICLCは、11月9日に、ファイサルバード、ムルタン、ラワルピンディ、ぺシャワ―ル等のキランライブラリーの現状や課題について、映像を交えて報告会を設けることになりました。最近のキランライブラリーの様子や子供たちのニーズ、子どもの人権などについて幅広く議論される予定です。 「パキスタンの刑務所の中のこども図書館- キランライブラリーについての報告」 報告者: Mr. Tahir Ayyaz タヘル・アヤズ氏       ICLCP パキスタンンのラホール地区責任者 司会:  田島伸二 (ICLC代表) 場所: 東京ウィメンズプラザ/ 第一会議室 A 時間:  2009年11月9日(月) 午後6時半から8時半まで 会費  500円 (ICLC会員は無料) 連絡先  ICLC 090-6505-1782 dinbell@docomo.ne.jp taeko-k@mse.biglobe.ne.jp 東京ウィメンズプラザについて 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67 ●交通のご案内● JR山手線・東急東横線・京王井の頭線:渋谷駅下車徒歩12分 地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線:表参道駅下車徒歩7分 都バ…

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ムルタンのキラン図書館から嬉しい知らせ「無実の死刑囚の姉妹が釈放された」

2009年1月3日、パキスタンのラホールの友人からとても嬉しいニュースが飛び込んできました。それはこれまで8年間、ICLCが活動してきた死刑囚の姉妹の無罪が確定し、すでに釈放され彼女たちは実家に帰れたというのです。 なんという嬉しいニュース。二人の姉妹の苦労や喜びを想像すると思わず涙が出ました。 もう8年前になりますが、パキスタンの刑務所に収容された子どもたちの識字活動を推進するICLCのキラン図書館を設置するために、パンジャブ州の砂漠地帯にある女性刑務所を訪れたことがあります。その時、牢獄の中から死刑を宣告された20歳ぐらいの二人の姉妹が私たちに懸命に無実を訴えてきたのです。二人は殺人犯として親族から訴えられており、パキスタン社会の女性差別や怨恨によって、村で起きた親族の殺人罪の死刑囚として、弁護士もつけられずに投獄されていたのでした。 それ以来3回ぐらい彼女たちに牢獄で出会ったことがあります。 刑務所長の深い同情もあって、所長は特別にその牢獄て会わせてくれたようですが、真夏の灼熱の小さな牢屋の中で泣く泣く訴える若い二人の姿をみて、なんとかしたいと思って、ラホールの友人に相談したのです。そうしたら運よく彼の弟がスウェーデンで法律を学び帰国して、現在ラホール高裁の弁護士をやっているとのことで、早速事件の調書などを調べてもらってようやく再審が始まったのです。その間にも3年間が過ぎていきました。そして弁護士たちから「このケースは無罪に間違いない」との感触を得たのでした。 …

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カラーシャのキラン図書館の子どもたちーわだ晶子さんからの便り

盛りだくさんメニューのライブラリー 2008年10月11日に静江さんがやってきた。イスラマバード〜チトラールの直行便が夏から復活したので、前日の昼に成田を出発して、翌朝にチトラール到着が可能になったので、テロリストの脅威なども感じることなくカラーシャの世界に入れるわけだ。                  写真:ムシバッタジーのあだ名紹介 このところ1年に2回バラングル村にきている静江さんと同じく、これまたこのところ年に2回村に訪れている元バッグパッカーのムシバッタジー(村の人からつけられたニックネーム)もやってきたので、多目的ホールのキラン・ライブラリー活動は急に活気をおびている。  2階に作業室を増築するために7月10日から大工さんが入ってから2日間は私だけでライブラリーを開いたが、その後は私はハンディクラフトの制作や指導で忙しく、スタッフのジャムシェールも大工さんの助っ人で、ライブラリーまで手が回らなくなってしまった。8月終わりになって増築の方もひと区切り付き、こちらに少し気持ちの余裕ができたら、今度はクルミの収穫シーズンに入ってしまった。となると、子供たちにとってはライブラリーどころではなくなる。  クルミの木から落としたクルミを拾い集める手伝いをすると、所有者から大人の両手に3杯ぐらいのクルミをお礼としてもらえる。それに、所有者が収穫し終わったクルミの木の枝に実が残っていると、見つけた者がパチンコや石で落としてもらっていいことになっているので、子供たちは学…

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日本とパキスタンの交流のシンボルー A SYMBOL OF PAK-JAPAN FRIENDSHIP

TAJIMA SHINJI - A SYMBOL OF PAK-JAPAN FRIENDSHIP: Business Recorder (editor-in-chief M.A. Zuberi) Wednesday April 4 2007 Tajima Shinji, educationist, is visiting Pakistan these days and presently staying here in the capital. A special evening was organised on March. 21 at the Institute of Educational Research. His literary contribution imbued with humanism and uplifting of the downtrodden segments of the society was highly acclaimed by the august assembly of his admirers consisting of art and literary figures. He was declared the most popular "ambassador of friendship" between Pakistan and Japan. Pakistan and Japan share mutual …

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Sunlight in the dark dangeon キラン図書館は、子供にとって暗闇での光

Jails is a frightening place for common man but it also promises a major shift in life if the authorities are serious to help mould the behaviour of prisoners rather than tormenting them.  Abdussammad, 12, who was arrested from Peshawar some four months ago for smuggling heroin narrates his experiences about the favours he got by virtue of his arrest and the learning opportunities he got in the Adiala Jail. Talking to the Nation Abdus-sammadsaid, “I didn’t have any idea as to what will be the consequences of my arrest”. He said that he was interested in getting education in his early childhood but unfavourable circumstances shook his determinat…

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刑務所に設立された子ども図書館ーキラン図書館とは?

アジア・太平洋地域で識字教育や基礎教育の仕事に携わってきて痛感したことーそれは社会の中で最も抑圧され、最も困難な状況の中に生存を余儀なくされているのはいったい誰か、そして彼らが一番求めているものはいったいなにかということであった。 もちろんすべての人にとっては戦争状態のない平和が一番重要だし、生存のためには衣食住のような物理的環境がよく整備されていることは基本的に最も重要な用件であるのは間違いないが、識字教育を行っているうちに、人間という存在は、物的なことだけではなく、精神や心の自由があってこそ幸福に存在するように思えた。  こうした精神や心の自由などが存在しないといかに物的な環境が豊富にあっても人間は幸せを感じないし、生の充足感を得ることができない。この人間の豊かな精神活動を支える根拠には―豊かな言葉があり、人を動かす文字があり、人間性を高める表現活動のすべてがありーそこに識字の課題がすべて存在しているように思えた。特に変化の激しい21世紀には、識字の力を持っていなかったら生きていけない。   あるとき私はタイの海岸地域にあるスラムに住む人々の識字調査を行ったことがあるが、どのような貧しい家屋にもテレビだけは必ず設置してあった。スラムの人々は十年にもわたる月賦でテレビを購入するらしかったが、それは現代の生きた知識や情報を獲得するにはどうしても必要なメディアであったのだ。  そこで住民調査をいっているとき、非識字者であるかれらに文字の読み書きについて尋ねてみると全員が…

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Sunlight in the dark dangeon

Sunlight in the dark dangeon by Tarik Zia(The Nation City, Islamabad) Jails is a frightening place for common man but it also promises a major shift in life if the authorities are serious to help mould the behaviour of prisoners rather than tormenting them.  Abdussammad, 12, who was arrested from Peshawar some four months ago for smuggling heroin narrates his experiences about the favours he got by virtue of his arrest and the learning opportunities he got in the Adiala Jail. Talking to the Nation Abdus-sammadsaid, “I didn’t have any idea as to what will be the consequences of my arrest”. He said that he was interested in getting education in hi…

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刑務所の中に設置されたキラン子ども図書館(パキスタン)

       2007年に建設が完了したペシャワールのキラン図書館の建物 http://www.asiawave.co.jp/aw_pdf/asiawave2007_09demo2.pdf#search= ミャンマーのヤンゴンに設置されたキラン図書館の看板(ビルマ語でヤウンチ図書館) 人はどこでだれに会うかわからない。どこで誰が聞き耳をたてているかわからない。しかしその場その場で必要と思われることをしゃべるのではなく、私はいつも本音で語ることが必要だと思っている。本音は人との新しい出会いを作るからだ。あるとき私は、パキスタンのイスラマバードで識字教育に関するNGO会議で発言を求められたとき、「もちろん、このようなワークショップや会議開催も必要ですがね、豪華なホテルではいつもこのような会議が開かれおり、だれもかれもが口角沫を飛ばしてしゃべっています。カラフルな事業報告書はどのオフィースにもうず高く積んでありますが、果たして現実を改善しているのでしょうか?政府を筆頭に口や言葉ではなく実際の行動こそが必要なのです。皆さん!会議で決めたことは確実に実行して下さい。今は発言を止めて実行する時です。実行!」と私は叫んでしまった。会議を主催した担当者は、眉をひそめたが、会議が終了すると何人かが近づいてきた。その中には社会福祉省の女性がいた。彼女は、「あなたの本音の発言にとても感動しました。そうです。言葉ではなく実行が必要なのです。会議ばかりが開かれて、現実は少しも改善されていません。実…

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