田島伸二 と ヒューマン・リテラシー

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zoom RSS 南アジア平和絵本の共同出版ー「赤えんぴつと青えんぴつ」

<<   作成日時 : 2017/04/26 04:20   >>

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「赤えんぴつと青えんぴつ」


赤色と青色の鉛筆が、文房具店で売られていました。店頭に並べられていたとき、2本の鉛筆は、まだ見ぬ人生にそれぞれ幸せな夢を描いていました。 
「これからどんな人生が始まるんだろうね?ぼくたちを買ってくれる人ってどんな人だろう?おたがい人生は違っても、いつか再会できると嬉しいね」と赤鉛筆が言いました。「もちろん」と青鉛筆が答えました。 
       
次の日、赤鉛筆は勇敢な軍人に買われていきました。赤鉛筆は軍人の手に握られ、毎日戦争の計画を練っていました。綿密な作戦でたくさんの兵隊が山々に配置されたり、爆弾の落ちる場所へ赤い印をつけたりしました。軍人はとても忙しい毎日でした。そして赤鉛筆が大働きをしたあとは、いつでも決まってたくさんの人々が殺されたり傷ついたりしました。

そのたびに赤鉛筆は、大地がいつも若者の赤い血で染まっていくのを見て、いつも悲しんでいました。「ぼくの生み出す言葉や記号がこの戦争を作っている」 そうこうしているうちに、長かった赤鉛筆は、すっかり短くなってしまいました。


一方、青鉛筆は、ある日、小学校の女の先生に買われていきました。貧しいけれど親切な教師でした。教師の手に握られた青鉛筆はいつもたくさんの子どもたちの答案用紙に、青い文字を書き込みました。青鉛筆は、先生の気持ちを表現するのに夢中でした。子どもたちの夢や希望や戦争で亡くなった父親の子どもたちを励ます手紙を書くのに使われました。とても忙しい毎日でした。そしていつの間にか、長かった鉛筆もすっかり短くなってしまいました。
短くなって働けなくなった赤鉛筆と青鉛筆は、それからすぐに焼却場へ捨てられてしまいました。しかしなんと幸運なこと、ある日、そこで赤鉛筆と青鉛筆は再会できたのです。


「良かった!あなたに会えて、赤鉛筆さん、ずいぶん短くなったわね。いろんなことあったんでしょ」すると赤鉛筆は「うん」と大きくうなずきました。そして、軍人に買われたこれまで戦場で働いてきたことなどを話しました。
赤鉛筆が言いました。「鉛筆の言葉って恐ろしいね。軍人がなにか書くたびに戦争が起きるんだよ」と言ったあと、赤鉛筆は、戦争で大地が若者たちの血で真っ赤に染まったときは、どんなに悲しかったかと付け加えました。赤鉛筆が尋ねました。


「青鉛筆さん、あなたもずいぶん短くなったね。あなたどんな人生だった?」と聞きました。すると青鉛筆は「わたしは、ずっと幸せだったわ」と言いました。

「私を買ってくれた先生は、鉛筆を使っていつも子どもたちを励ましていた。鉛筆1本から生み出される言葉って不思議ね。教師からもらった手紙や励ましの言葉で、子どもたちがどんなに喜んでいったことか。みんな生き返ったように元気になっていたのよ」


「そうか、幸せな人生だったんだね」赤鉛筆がいいました。

「不思議だね。初めはぼくたち、まったく同じだったのに、どんな文字を書いて暮らすかで、悲しくなったり幸せになったりするんだから。」と言いました。「そうだわね。鉛筆の人生って不思議よね。」青鉛筆も大きくうなづきました。
「みんな初めは同じでも、言葉によって人生は大きく違ってくる。」



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*この物語は、インドとパキスタンの子どもの平和絵本共同出版プログラムから生まれた4冊の中の1冊です。インド、パキスタン、ネパール、日本、中国、アメリカなどの参加者が議論しながら共同で内容を練りました。イラストはインドの画家です。2011年最初は、英語版で刊行されました。

東京のICLCが企画したもので13年かかって完成した南アジアの子どものための平和絵本です。


https://www.facebook.com/shinji.tajima.129/posts/1697296536953402?pnref=story



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