破局的な原発事故と中国/インドの新しい原発建設の課題

現在、福島原発が想像をはるかに超えて、破局的な局面に進んでいる。今回の未曾有に事故は、決して地震や津波によってのみ起きたものではなくて、人間のおごり高ぶった科学文明や目先の見えない経済活動によって、引き起こされたものだが、これはまだ地球の人間にとってはごく始まりなのである。

日本が広島の原爆によって戦争核を悲惨な状況で体験したと同じく、原発というエネルギー核によって、その恐怖を世界に知らしめる先鞭をつけたにすぎない。人間は、自然界からさまざまなものを取り出したが、決して開いてはならない「パンドラの箱」に手をつけたのが核技術であった。しかし核以外にも、染色体の移し変えや目に見えない科学技術の分野で、さまざまな実験が行われている。それは市場経済という名目で。

これらの結果は時がたてばたつほどに大きく悲惨な結果として表れてくる。あるものは目に見え、あるものは目に見えずに突然、あるいはゆるやかにその姿を現してくる。20世紀型の人間たちは、無限の開発を行いながら経済成長を最大の目標として市場経済を推し進めてきた。中国やインドにおいても、貧富の差や環境破壊、そうしたその矛盾がいたるところに噴出しているが、経済成長に目がくらんだ世界の経済界は、現在、中国やインドでは、それぞれ100基もの原発を建設しようと躍起になっている。特に中国国内では、現在、建設中・計画中の原子力発電所は、159基・1億6454万キロワットもある。



今回の福島原発の結果を受けて、原発建設の動きは、世界的にかなりの冷却が予想されるが、しかし中国もインドも以下の5つの理由から強行に原発を推進するだろう。

1)中国やインドは、日本と違って、地震帯ではないし、巨大な津波はやってこない。絶対に大丈夫である。

2)炉心を冷却する電源を、津波のこない高台とか、地震に耐える強固な電源設備を作る。あるいはそれぞれの電気を起こす電源を確保するように設備を作り変える。

3)今回、事故を起こしている1号機、2号機、3号機原子炉の設計は、40年という耐用年数も過ぎているし、非常に古い型で多くの問題が指摘されていた。それに比べて現代のフランスのものなどは全く問題はない。

4)原発を設置しないと、二酸化炭素が地球上で増えて、大規模な気候変動が起きる。そのため原発を慎重に作って国際的に協力しながら、管理すれば二酸化炭素の放出量を食い止めることができる。

5)原発産業は、巨大な利益共同体であり、さまざまな産業と結びついている。そのため原発を止めることは、こうした産業界に関係するすべての人間にとって大きな不利益を生じさせる。人間社会の経済発達を冷却するものである。


などなどさまざまな理由をつけて、原発を推進していくだろう。しかし私は思う。放射能で高度に汚染された水や廃炉などはどのように処理するのか?それは地球上にすべて垂れ流しか、地中深くにすべて隠蔽しようとしているのである。これを21世紀や22世紀の子どもたちに残していく20世紀型人間の考え方とはいったいなにか?


インドは、ガンジス川や岸辺やデカン高原に、高度な放射性廃棄物を埋めていくのだろうか?
中国は、自分のものでもないチベット高原や黄河流域、少数民族が多く住む地域、ゴビ砂漠などに、密かに高度な放射性廃棄物を生めていくのだろうか? これが地球の地殻変動で万が一にでも破壊されると、地下の中だから取り返しのつかない地球汚染が発生するだろう。しかも中国では、原発に関しては、人々もマスコミも触れてはならないタブーなのである。


福島原発は、日本の相当数の原発がストップしていく契機になっていくと思うが、最大の課題は、中国とインドの原発増設である。今回の事故によって、こうした原発に歯止めがかからなければ、地球の未来はありえない。



16年前に日本で刊行され、今は絶版になっているが、「沈黙の珊瑚礁」という本の中に、「石棺」という物語がある。この物語には、人類の未来、特にアジアでどのように石棺が誕生していくかが予兆的に描写されている。
この本は1999年、オックスフォード大学出版(Oxford University Press)からも英語版で刊行されている。









印ロ、原子力協力拡大で一致 インドにロシア製原発増設
2009年12月8日10時30分 (朝日コム)


 【モスクワ=副島英樹】インドのシン首相がロシアを訪問し、メドベージェフ大統領と7日にクレムリンで会談、両国の戦略的パートナーシップを深める共同声明を採択した。これに合わせ、ロシア国営原子力企業ロスアトムのキリエンコ社長と、インド原子力委員会のバネルジー委員長が、原子力平和利用の分野で協力の拡大を図る政府間協定に仮署名した。イタル・タス通信によるとキリエンコ社長は今後、インド南部クダンクラムや東部・西ベンガル州に計12~20基のロシア製原発を建設する方針を確認した。契約額は数十億ドルに上る見込みという。



中国の原子力発電会社、ベラルーシの原発計画に意欲
SEARCHINA 2008/08/27(水)

  ベラルーシのミハジューク・エネルギー副大臣によると、中国有数の原子力発電事業者、広東核電集団有限公司は、ベラルーシが計画している同国初の原子力発電所の建設に参加する意向を表明した。同副大臣は、機器や役務だけでなく、中国側からの融資の提供も視野に入っていることを明らかにした。

  ベラルーシ安全保障会議は今年初め、100万キロワット級の原子力発電所を2基建設することを再確認した。また、6月には原子力発電の導入に関する基本原則を明記した法案が議会を通過した。

  ベラルーシ政府は現在、3カ所を候補地としてサイト選定作業を進めており、早ければ2009年にも立地点を決め、具体的作業に着手する方針を示している。順調に行けば、1号機は2016年、2号機は2018年に運転を開始し、同国の電力需要の15%を賄うことになるとみられている。

  同国政府は、原子力発電所の建設にあたって、ロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)、フランスのAreva、東芝傘下の米ウェスチングハウスの3社に対して国際入札参加を打診した。3社とも関心を示したようだが、ウェスチングハウス社が入札に参加するには、米国とベラルーシの間で原子力平和利用協定をまず締結しなければならない。

  残る2社のうち、入札で有利なのはASEであろう。旧ソ連邦の国で構成される独立国家共同体加盟国として、ロシアとベラルーシには共通の基準や規格が存在する。言語の障害がないことも大きい。もちろん、これらは決定的な要因ではない。

  ASEは、ベラルーシに提案する炉型としてロシア型PWRであるVVERのAES-91タイプを考えている。この炉は、中国の江蘇省・田湾原子力発電所に採用され、2007年5月と8月に営業運転を開始しており、ASEとしては最新の実績を持つ炉型だ。

  さて、広東核電集団有限公司はどのような形でベラルーシの原子力発電計画に参加しようというのだろうか。同社は原子力プラントメーカーではないが、大亜湾、嶺澳で運転中のPWRに加えて、建設・計画段階にある多数の原子力発電所の実施主体となっている。

  ベラルーシとしても、初の原子力発電所ということになれば、すべてゼロからスタートしなければならない。建設は問題ないとしても、肝心なのはそのあとの運転だ。当然、国内だけでは対応できないため、外国(炉の提供国)から協力を仰ぐことになろう。広東核電集団有限公司のねらいもこのあたりにありそうだ。

  今回の国際入札にあたって、ベラルーシ政府はコンソーシアムでの提案も受け入れる意向を示している。本来なら、ロシアのメーカーが落札すればロシアの電力会社、フランスのメーカーが落札すればフランスの電力会社が協力する形をとるのが妥当だが、フランスのArevaが落札すれば広東核電集団有限公司とコンソーシアムを組むことも十分考えられる。

  中国はフランスからの原子力発電所導入にあたって、運転面では同じ炉型で運転実績を持つフランス電力公社(EDF)の協力を仰いだ。ベラルーシでも、Arevaが落札すればEDFが協力するのが順当だが、そのEDFは現在、英国市場への進出を検討しており、それだけの余裕がない。一方、広東核電集団有限公司は、大亜湾、嶺澳にArevaの技術を採用するにあたって、運転面ではEDFからノウハウを学んだ。

  広東核電が、ベラルーシの原子力発電計画参画にあたってどこまで考えているか分からないが、中国の原子力プラントメーカーが外国市場に打って出る可能性はどうか。パキスタンに30万キロワットの原子力発電所を輸出し、かつてはイランに原子力発電所を輸出しようとしたことさえある。

  中国としても、長期的には原子炉輸出を視野に入れていることは間違いないが、中国国内のメーカーにはそれだけの余裕はないだろう。国内で現在、建設中・計画中の原子力発電所は、159基・1億6454万キロワットもある。


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