ヒューマン・リテラシーについて苦悩は続く

これは2007年のブログの記事ですが、世の中で真実を知ることがいかに難しいかをミャンマーの現実的な政治を取り上げて述べています。ヒューマン・リテラシーという哲学では、事実や真実を知るということ、表現することを最も重要な生きる姿勢として取り上げています。しかしこのことは、現代の世界でいかに難しいことであるか!

これはミャンマー、アメリカ、中国だけではなく、日本の原発報道の現場においても、政府や東電の姿勢も全く同じことですね。3月11日、福島原発で炉心溶融というチェルノブイリを超える深刻なメルトダウンが、4基で起きていたにもかかわらず、その事実が東電や政府によって、国民に知らされたのは2ヶ月後でした。マスコミは何を伝えていたのでしょうか?それは国民みんなの目隠しをしていたのです。その間、日本の教育者や科学者はなにを考え、どんな対策を子どもたちにしていたのでしょうか?政治家たるや全く為すべきことを全く為していないのです。

2か月間、どれだけ深刻な被ばくが、福島を始め東北から関東地域を襲ったことでしょう。その被ばくの影響は、この秋から子どもたちの健康に出てくるものと思われますが、放射線のリスクを最小限に抑えるために準備されたヨウ素剤は、とうとう一粒も配布されることはありませんでした。そして文科省が100億円をかけて作成した放射能予測装置(SPEEDI)なども住民の避難に全く活用されることはありませんでした。これが日本のヒューマン・リテラシーの実態なのです。http://www.youtube.com/watch?v=UNjQ8hS7r7A

ヒューマン・リテラシーとは、事実や真実に基づいた表現のことをいいますが、これを大きく阻むものはいったいなんでしょうか?そしてこれを乗り越えていくものは、いったいなんでしょうか?今年の最大の課題です。





2007年のブログ記事

9月28日のミャンマーの国営テレビによると「ヤンゴン市内で抗議活動のデモが行われたのは、わずか4ヶ所で、参加者はそれぞれ30名、総勢で120名」と報道した。
しかし実態は、ヤンゴンのスーレー・パゴダ付近だけでも、数千人規模の反政府デモが行われ、外国のメディアは1万人規模の反政府デモと報道している。この開きが、真実の開きである。

政府発表とは、反政府運動の人数を出来るだけ低く抑えるのが常套手段だとしても、参加者数千名を、わずか30名だと報道する数字上の大きな虚偽を、ミャンマー軍事政府はたえず行ってきている。もちろんこれは数字だけではないが、数字という事実は絶対に知らせない。これが彼らの鉄則なのだ。つまり万事がそうであるが、地方にいたなら、こうした報道の中から真実をつかみだすことは実に困難である。一切の事実や真実を伝えないのが、軍政府であるからである。なかでも国民の生活に関する数字の虚偽などは、はなはだしい。これは戦争中の日本軍も全く同じで大本営の報道の虚偽である。

ミャンマー政府の局長(Director-General)クラスは、すべて軍人によって占められているし、次長も今は、軍人が独占するようになってきた。「民には知らせない。民には教えない。民には学ばせない。」・・・・・これは中国でも同じような傾向がある。中国の地方で、深刻な環境問題が発生したり、土地にからんだ農民運動などが起きたとしても、絶対に事実は公表しない。こうした中から、政権の腐敗的な構造や独裁政権が生じてくるのだ。

パキスタンでは、リテラシーは、「人を生かし、人を殺さない知識と情報を有したリテラシー」が重要な課題で、ミャンマーでは、「人や社会に事実や真実を伝えるリテラシー」が主要な重要な課題である。「事実を知り、真実を伝える」・・・・この中からヒューマン・リテラシーの最も重要な考えかたが生まれている。

人間は数字の中で生きている存在で、ミャンマーの軍政府のように数字の虚偽と捏造を行う国には、ヒューマン・リテラシーインデックスの値が最も低い。つまりその国の人間や機構の腐敗度と重なっているのが、ヒューマン・リテラシーの考え方である。   しかし、これはイラク戦争を行っているアメリカや歴史の記述を誤魔化そうとする日本も含めて、角度が異なれば、同じように深刻な課題であるとはいえまいか。
                               

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