「さばくのきょうりゅう」の絵本についての物語

「さばくのきょうりゅう」(講談社)の絵本は、その昔、インドの西ベンガル州で暮らしたときに創作した物語です。当時、私は詩人で哲学者のロビンドロナート・タゴールが設立したインドの大学に在学していたのですが、学校にはほとんど行かず、毎日ベンガルの砂漠に住む貧しい子どもたちと一緒に「さばくの学校」を開いていたのです。 家の前には、広い砂漠のような干からびた土地がどこまでも広がり、高いやしの木が風の中でうなっていました。私は毎日、この光景を見ているうちに、この砂漠で「油の売り買いで争っているキャラバン(隊商)」をイメージして「さばくのきょうりゅう」という物語を書いたのですが、それが絵本のかたちになったのは、インドから帰国してユネスコ(ACCU)の仕事に従事していた1986年のことです。 東京の自宅に、韓国のデザイナーのカン・ウーヒョン氏を招いて一緒に飲んでいたときのこと。カンさんが突然「一緒に絵本をつくりませんか」と言い出しました。「いいですよ」と承諾すると、彼はこの物語「さばくのきょうりゅう」の物語の絵を描き出しました。ものすごい没入、そして彼はかってないような大作を描きました。そしてこの絵本は、国際的な絵本コンクールなどで大賞や金賞を次々と射止めていきました。後にインドでは14言語版で翻訳出版されましたが、2013年、インドの国際出版セミナーに参加したときに、この物語を「インドの教科書に載せよう」という多くの声を聞きました。 この物語は、油をめぐって戦いの続く中東地域を表現して…

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モンゴルの雲の下で

1994年、私はモンゴルの雲の下で、大草原の豪快な食事をしたことがあります。おそらく大陸を制覇したジンギスカーンもこのような食事をしていたのでしょうが、それは1頭の山羊の肉を鉄の容器にいれて料理する食事です。 まず鉄の容器に山羊の肉を入れ、その上に熱く熱した小石を入れ、それからハーブの山や岩塩やスパイスなどをたっぷりと振りかけ、その上にまた熱した小石を入れて鉄の蓋をきっちりと閉めると、その容器はぐつぐつという音をたてて山羊肉が煮え始めるのです。まるで容器は音をたてながら賑やかにダンスでもしているかのようです。 半時(はんとき)もしてから蓋を開けるなんとも美味しい山羊肉料理、それを20名ぐらいで草原に座って、大きな輪になって食べるのですが、その美味しいこと美味しいこと、また山羊肉の柔らかいことー大草原には風が吹いて、雲は流れて実に愉快。食べ終わると大空からコンドルが次々と舞い降りてきます。そこでみんな山羊の骨を次々と投げながら、モンゴルの大草原での豪快な食事を楽しんだのでした。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=481362751994026&set=a.118526281611010.19485.100003609154217&type=3&theater

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